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《ネタバレ》 掃除されてない汚い古民家を見て猫屋敷を連想した。無計画に何匹でも拾うだけ拾って、去勢も予防注射もせず放置のやつ。
貧しいながらも幸せな家族…のごっこ遊びをしているが、義務教育は受けさせない、食料や生活用品は半分自給自足(万引き)、最低限の生活の糧ではなく、高額の釣竿を盗んだり、車上荒らしまでする。 わざと捕まって家族ごっこを終わらせた祥太は、今の自堕落な生活に疑問を持ち、マトモな人間社会で生きることを決めた。その引き金になった駄菓子屋の店主の行動、観てるこちらまで何ともやりきれない気持ちになった。 追いかける治、振り向かない祥太。バスの別れは捨てられた猫と飼い主のようだ。 リンは猫屋敷から保護された飼い猫。一度自由を知ってからの檻の中。鉄柵の上から遠くを見つめる瞳から、子供だから何も出来ないもどかしさが伝わる。 信代のだらしない(ように映る撮り方の)裸体が自然でエロい。それに比べて信代の妹役の亜紀は、一時的に野良猫をしているだけの血統書付きだけに、肌ツヤも綺麗だ。 無計画な猫屋敷の猫は、家族のない野良猫や、世話されていない飼い猫より幸せだろうか? 世の中の多くの人は、辛くても社会生活を頑張っている。猫屋敷の猫みたくならないように。 樹木希林の初枝婆さんがとても役に馴染んでいて、本当にあの家に住んでそうだ。パチンコ玉を横取りした後の笑顔がお茶目で、砂浜で家族を見つめる姿は、近年の邦画史に残してほしい素敵な画だった。 【K&K】さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2021-03-15 22:48:38)
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