| 作品情報
レビュー情報
《ネタバレ》 -Fallout- “落ちる”。降下、飛び降り、墜落、滑落。文字通り落ちまくるイーサンさん。
シリーズ5作目の“ローグ…”に直結した続編で、登場人物、組織、置かれている状況など、前作を観ておかないと結構置いていかれる内容。方向性も前作の流れを引き継いでいて、トムの体を張ったアクションが売り。もう“現代版スパイ大作戦”とは言いにくい作品。 2のレビューで『続編制作に至ったリサーチしたの?』って(偉そうに)書いたけど、どうも『トムが体を張ればウケる』って思われてるらしく、その辺りが現代版スパイ大作戦を求める層と、考え方が乖離している原因に思えた。 制作側がそう考えたターニング・ポイントは、きっと4作目のブルジュ・ハリファ・クライミングだろう。スタントなしの壁登りは確かに凄かったし、4のアクションシーンの目玉だった。だから単純に“ブルジュ・ハリファがウケた”ってリサーチしたのかもしれない。4はストーリーも面白く、登場人物も魅力的に描かれていたのを置き去りにして。 リサーチ結果がそうなると、次作以降それを超えるアクションを入れなきゃと勘違いし、5では飛行機しがみつき、高速バイクアクション。本作ではスカイダイビングやヘリ操縦と、まるで体感型アトラクションのような構成になってしまった。 ストーリーはまるでクレイグ・ボンドのスペクターのような組織と、在り来たりな核爆発阻止とカウントダウン。『IMFってこいつらしか居ないのか?』って思うくらいメンバーも変わらず。動ける新キャラや新しい設定を排除して、純粋に体感アクションを楽しむための構成に思える。だけど147分という長時間と、人名が飛び交う説明セリフが多く、結構ダレる印象を持った。トムの激走とベンジーとのやり取りは、ちょっとホッと出来る清涼剤だったわ。 過去作でも高速鉄道、フリークライミング、車のリアガラス破壊など、トムの手に汗握るアクションはあったけど、それは物語を盛り上げる要素・調味料のような存在だった。前作・本作では調味料が全面に出すぎているような、そんな印象で、素材の味がスッカスカに感じる。 1,3,4がミッション・インポッシブル・シリーズ。2,5,6はイーサン・ハント・シリーズってイメージかな。 5,6のアクションは凄いんだけど、この流れだともう、私の好きなM・Iの続編は期待できないのかなって、残念にも思う。 【K&K】さん [ブルーレイ(字幕)] 5点(2022-05-29 12:40:45)
K&K さんの 最近のクチコミ・感想
|