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《ネタバレ》 - The Sixth Sense - “第六の感覚”SixじゃなくSixthだったんだ。
この映画の面白いところは、『死者が見える(自称)』というコール少年を、如何にしてカウンセリングで救済するか。 マルコムは小児カウンセラーとして名声を得ていたところに、彼が救済できていなかった少年ビンセントの凶行で、振り出しに戻るどころか夫婦関係までこじれたマイナスから始まる、言わばやり直しの物語。 マルコムがカウンセラーとして名声を得るということは、相当の数のケースを診てきたんだろう。多くの症例は解決しても、患者とはそこまでな関係。ビンセントもたくさん診てきた中のひとり。彼が侵入した時、10年経っていたとは言え、パッと名前が出てこないところは、そんな表現だろう。 映画を観る側はマルコムの目を通じて、コール少年をビンセントと重ねて観るわけだ。何故ビンセントを救えなかったか、どうするのが正解だったのか。彼らの目線に立って、彼らが見ているものを信じること。死者が見える(自称)のを見えなくするのが解決ではなく、その先に何があるのか?を見て、死者の訴え(自称)を一緒に解決することが正解だった。 ビンセントとは築けなかった信頼関係を、コールと築くことが出来たマルコム。“病気を根絶するのではなく、病気と長く付き合う”のと同様に、解消するのではなく緩和から始める治療もある。「少女の死の記録が出てきて、実は殺人事件だったなんて、偶然にしても不思議なこともあるものだ」で、締めくくっても全然成立する。カウンセリングの報告書としても、映画としても充分に。 コール少年の問題は解決。ビンセントの失敗に縛られたマルコムの一年の苦悩も解決。さぁアンナとの夫婦関係の再構築と、ようやくやり直せたその一歩先に、実は・・・があったから、映画館で観た人は驚いた。私もしっかり驚いた。 エンディングばかりが評価されがちだけど、ソコが全ての映画ではなく、何回観ても楽しめてしまうのは、先に書いた通り。そして“やり直しの物語”にも関わらず、そこから再構築ではなく結末に繋がること。ここでもしマルコムの新たな苦悩が始まるバッドエンドだったら、ちょっと世にも奇妙なナントカみたく、安っぽくてガッカリだったと思うけど、結末の後味の良さがまた秀逸。とても美しかった。 私がそうだけど、この結末を予想できなかった人って、たぶん常識的な生き方を選ぶ人に多い気がします。きっと学校や社会で身についた常識に誘導されて、あの結末をハナから除外してるんですね。みりんみりんみりん…鼻の長い動物は?10回クイズの醍醐味は引っ掛からないことではなく、豪快に引っかかってワハハって笑うところにあります。引っ掛かる引っ掛からないが頭の良し悪しではなく、その瞬間を体験した同士の共時性とか、そっちの方だと思います。 なんかココでレビューを締めると、私までエンディングが全ての映画扱いしてそうなんで… 劇場で観た時、コールが辛そうな顔してブリーフ姿でトイレに駆け込むシーンで、私の右隣りの女の子たちツボったらしく「ブワハッ!」って吹き出して。 そしたら左隣のおばさまが『ウルサイわよ!』って感じに凄い顔して私を睨んだのね、いや私はこの子達の仲間じゃないし。右の子たちは『クックック』って笑い堪えてるし、左のおばさまは10秒近く無関係の私を睨みつけてるし…あの時はヒヤッとしたわ。 【K&K】さん [映画館(字幕)] 9点(2022-12-17 20:13:43)
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