| 作品情報
レビュー情報
《ネタバレ》 新幹線に速度が80km以下となると爆発する爆弾を仕掛けて、乗客を人質に身代金を要求する犯人グループ。それと対峙する警察および国鉄とが織りなすパニックサスペンスアクション。これだけのスケールの大きな娯楽大作は、日本映画では他に例がないんじゃないかと思う程です。そして、キャストも豪華。竜雷太や北大路欣也が若いのに驚きましたが、それ以上に渡辺文雄がインテリ二枚目でびっくりしました。食いしん坊ばんざい以降のイメージしかなかったので。当時の日本の特撮技術は、まだ相対的に優れていたこともあるのでしょうか。最前線のエンターテインメントを創っているという創り手達の自信と気概がひしと伝わってくる作品です。国鉄の司令室セットも出来が良く、適度にアナログでいい感じです。壁に張り巡らされた監視盤を双眼鏡で眺めてチェックするなど、なかなか風流です。内容的には、ハリウッド映画「スピード」と非常に類似しています。映像トリックもあることから、元ネタと言っても過言ではなさそうですね。「スピード」は、より一般受けしやすく、アクションも見栄えがして、それはそれで非常に上手くやっていると思いますよ。本作は日本人好みに、犯人側の心情描写であるとか、人質に対する倫理観であったりとか、結構複雑な後味が残る感じです。本作は、国内での興行は芳しくなかったのですが、国外、特にフランスで大ヒットしたらしいです。フランス語版では、犯人側の心情描写はすべてカットされ、ただの悪人になっていたというのが興味深いところですね。
【camuson】さん [DVD(字幕)] 8点(2024-02-09 17:41:08)
camuson さんの 最近のクチコミ・感想
|