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《ネタバレ》 主人公の西島秀俊は舞台役者兼舞台演出家。その妻の霧島れいかは人気脚本家。主人公が主に仕事の移動で使う自動車にフォーカスし、その中や周辺で起こる、クリエーター夫婦の少し風変わりな日常や、思いがけない出来事など、エンターテインメントの題材にはあまりならないような事柄を、ごく自然に、あまり狙った感を出さずに、細かいところまで繊細に描いていくというような作品。映像も特別美しい風景があるわけではないのですが、現代日本の変哲のない風景が、しっとりと落とし込まれていて、心が落ち着く感じがします。文学的な雰囲気が醸し出されていて嫌いじゃないです。ただ、雰囲気は嫌いじゃないだけに、作品の着地点が今一つというか、主人公の感情に深いところで共感することはなく、大きく心動かされるものがないまま、終わってしまったなという感想です。原作があることをほとんど意識しないで見ていましたが、村上春樹原作と言われると、まあ、わからないでもない気もします。後半、三浦透子が主人公のマイ・カーのドライバーとなり、主人公との交流が描かれていくのですが、「三浦透子が運転がとても巧い」という設定があってもいいとは思いますが、それが強調され過ぎていて、そこだけは、少し不自然さを感じてしまいましたかね。
【camuson】さん [インターネット(字幕)] 6点(2023-07-05 19:27:45)
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