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この映画の主眼は殺人鬼がどういう人間かという点ではなく、殺人鬼が現れたことで社会はどのように変化するかという点に置かれています。明確な主人公が設定されていないのも、あくまで社会の多様な人々を描くことが目的だからでしょう。悪人の魅力や異常性よりも悪人の平凡さ、脆弱さを強調しているのは後のサイコキラーものには見られない点です。暗黒街と警察、殺人鬼と民衆、倫理的にどちらか一方が優れているわけではなく対等なものとして描いています。全編に渡り音楽が全く流れませんが、完全に無音になるシーンは演出に感心する以前に機械の不調を疑ってしまいます。窓の外からカメラが屋内に入り込むシーンはよく見ると窓を不自然に動かしているのが見えちゃってます。ラストもぶつ切りのようでえっこれで終わり?と思ってしまいます。構成とテーマには今見ても感心するものがあるのですが、ところどころ演出に違和感を覚える箇所がありそこには時代を感じてしまいます。
【Сакурай Тосио】さん [インターネット(字幕)] 6点(2023-05-31 23:41:02)
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