| 作品情報
レビュー情報
これも映画の最先端の形の一つではないでしょうか。新しい映画とは常にこれはどうやって撮ったんだろう?と興味を湧かせるものです。落下場面ではちょいちょい合成っぽさは目立ちますが、VFXが用いられてるとは思えないほど高所を感じさせる自然な映像で本当に怖ろしさを感じます。サスペンス映画としては鳥やめまいのような古典もきっちり踏まえた上で作られてるのも好印象です。お話は冒頭で主人公が大切な人を失い、そのトラウマから再起しようとする定番のやつです。風刺という程ではないものの過激さを求める配信文化の悪影響という問題意識もベースに、スマホ、ドローン、自撮り棒、現代的なアイテムを使ったオリジナル脚本のエンターテインメント作品としては上出来でしょう。頂上にある夜間照明が良いワンポイントとして機能していますね。序盤の小ネタの伏線回収に、点滅に合わせての場面転換も洒落てますし、幻覚と現実の区切りとしても効果的に使われています。ただ終盤になると主人公の不自然なまでのタフさと無駄にひねった展開で映像のリアリティに比して物語が非現実的なものになってしまうのは大きな欠点です。途中までは複雑な女同士の友情もちゃんと描いていてドラマ的にも評価できそうだったのですがそこはやっぱり減点せざるを得ないです。
【Сакурай Тосио】さん [DVD(字幕)] 6点(2023-06-06 23:56:50)
Сакурай Тосио さんの 最近のクチコミ・感想
|