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「怒りに目覚めて、人は初めて関心を持つ」というブラピの台詞が、ラストの「言ったろ。アメリカの問題じゃない。アイルランドの問題だ」に至り、『風とともに去りぬ』が、アイルランド人作者M・ミッチェルの反骨意志をものともせずにアメリカ開拓精神に塗り替えられた時の虚しさを覚えた。意訳すると、「アメリカにはもう、アイルランド人はいない」という意味か?『セヴン・イヤーズ・イン・チベット」のチベット問題同様、『デビル』のアルスタ問題も現在進行形であるのだから、描き方としては、こんなものだろうというところ。印象的なのは、教会で神父の説教を聞いている時のブラピ。泣きのブラピも抜群だけど、揺れ動く心を演ずるブラピは、ピカイチだなぁ。「僕だって全てを告悔して普通の生活に戻りたいんだ」という叫びが聞こえてきそう。でも、家族を目の前で惨殺されて、犯人に「あなたの気持ちもわかりますよ」なんてことが言える人間がいるのかと、ハリソン・フォードに訴えるブラピは、さすが。いかにもアメリカ的な、あの陳腐な脚本で、ごく普通に生活できるはずだった少年がテロに走らざるを得なかった、ごく普通の生活を望んでいる青年役を、目一杯頑張っていた。
【Y-N】さん 7点(2002-09-07 23:43:02)(良:3票)
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