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鑑賞しながら、青池保子氏の「Z~ツェット~」を初めて読んだ時の緊迫感を思い出した。要するに、この手の話が以前から好きなんだな。007時代の東と西がくっきり分かれていた頃は、スパイ物も単純で良かった。価値観が多様化し、情報がスピーディになった現在で、切り捨てる者、切り捨てられる者、その狭間で変化する大国の思惑を、2時間枠でよく描いている。ネイサン・ミュアーが人材とネットワークを駆使して本気でビショップを救出しようと決意させたのは、トム・ビショップは既に死亡しているという報道を見た瞬間なんだろうな。「中国で事件が起こった」ところで、「既に死亡しているスパイ」が救出されたなんて非難は、出来ないからねぇ。ディナーアウト作戦の一言で「俺は助けに行かない」と言ったネイサンが自分を助けてくれたと知った時のトムの表情が、退職後に蓄えた金の全て投じたネイサンの、してやったりといった表情に被って、実にいい。欲を言えば、ラストは、再会を喜び、「これからどうする?」「なんとかなるだろ」くらいで締めて欲しかったかな。ロバート・レッドフォードとブラッド・ピットのコンビネーションが、この作品を際立たせている。
【Y-N】さん 9点(2002-09-28 23:46:37)(良:1票)
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