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今回初めて見ました。元々は20年前の、べトナム戦争の記憶もまだ薄らいでいない頃の映画とあって、戦争叙実詩的なものかと思っていたら、なるほど、これはウィラードという「個」の物語なんですね。冒頭で軍人としての職務を全うできない事にフラストレーションを感じていたウィラードが、結果的には軍人である事の偽善、狂気に気付かされる過程がとても興味深いものでした。戦地においても「セックス、ドラッグス、& ロックンロール」なバブルガム的精神構造が支配しているアメリカ軍が、なぜべトコン百姓軍団に敗北を喫してしまったのかが良く分かる狂気ぶり。それを忌み嫌ったカーツ大佐がなぜ皮肉にも狂気に走ってしまったのかが個人的には一度見ただけでは理解する事ができませんでした。ただしデニス・ホッパー扮するフォトジャーナリスト(それにしてもデニス・ホッパーはどんな映画に出てもシュールな雰囲気を醸し出す不思議な俳優だ、、)の「(カーツ大佐は)頭は冷静でも心が病んでいる」という言葉に、一生を軍人として捧げたゆえの絶望と自分に対する憎悪がカーツ大佐の心を病ませ、そして人間らしく死にたいという冷静な心が結果的に、自らをウィラードに殺させたのかなと思いました。
【stoke on trent】さん 8点(2002-10-27 16:22:58)
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