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レビュー情報
裕木奈江、山本太郎、高橋かおり、大杉連等キャストはすごい魅力的です。「光の雨」という劇中劇(映画中映画?)にすることで若者達がどう考えどう行動するのか?実在の人物達と脚本の中で対話をさせる事でこの作品を観る観客にも考えさせる作品にしているところが良くできていると思います。ただ純粋に世の中を変えたいと思っていた当時の若者達。しかし自分自身を、同志を「総括」することで外部に向けるはずの闘志を内部に向けてしまう。「革命」という言葉の意味を考えさせられました。劇中劇という事もあって、この物語の登場人物に感情移入する者、何も考えない者等現代の若者と当時の若者の思想を反映し対比させています。この作品に出演するにあたるインタビュー(もちろん演技)がところどころあるのですがこの作品を始める前と後で表情や感情の変化があったことをしっかりと見せているところが関心しました。(数人の役者は白々しかったですが)特に裕木奈江はホント上手いですね。自分の役割をしっかりと把握している。女性でありながら赤軍の幹部という役(を演じる女優)を見事に自分の物にしてました。ホント、ずば抜けてすごいです。山本太郎は関西弁の利点と雰囲気で助けられていますが、彼も次第に何が正しいのか判らなくなり退廃していく役柄が印象的でした。ラストでクランクアップした演者達が楽しそうに雪合戦をするシーンは、今の若者と革命者達が何ら変わらない同じ人間であったことを象徴していました。正直私にはとても難しいテーマで、胸にこみ上げるものがありそれが何なのかも判りません。そこにはあの時代に私と同じ思いのもう一人の自分がいるような気がしました。
【さかQ】さん 7点(2002-12-25 04:11:08)
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