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ロメロの「ゾンビ」と並ぶ、ゾンビ映画の最高傑作と評されるこの映画は、ホラーに詳しくない映画ファンでも良くご承知だと思います。全体の発想からして、「ゾンビ」を模倣しており、完全に亜流なのだが、なぜ、ここまでルチオ・フルチファンをはじめとして、絶大に支持されるかは、やはり徹底したカニバリズムを体現させたリアルなグロ描写でしょうね。もちろん、グロ描写だけではなく、白い布に包んだ死体を銃で打ち抜く場面から始まる冒頭、サメとゾンビの格闘珍場面、土の中から、次々に這い出る瞬間のゾンビの描写、ラストのニューヨーク本土でのゾンビの群れの行進など、印象的な場面が多いのも特徴です。あと個人的には、BGMやS.Eなどが、どこか安っぽさもあるけど、とにかく凄い効果を持っているところが特筆すべきだと思ってます。ルチオ・フルチのホラー作品は、そのストーリー性を度外視して、徹底的に残酷性の高いグロ描写に執着したイメージがありますが、この作品は、意外にもストーリーは破綻してませんね。ロメロがグロ描写やゾンビのメイクをあまり重視せず、スケールの大きさと、そこに非常に深いドラマ性を演出させる手法とは正反対に、フルチは、手がけた作品にグロ描写を通して、ひとつの究極の芸術性を見出そうとしたことは「地獄の門」を介して、産み落とされた傑作「ビヨンド」を観れば、理解できるはずです。個人的にはロメロではなく、フルチに感銘を受けたので点数高めですが、どちらにしても、ゾンビ映画は観る人を選ぶのは事実ですから。この手が嫌いな人は絶対見ないほうがいいでしょう。
【叫真】さん 8点(2003-05-04 19:52:15)
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