1.《ネタバレ》 本当は一緒にいたいのに正直になれない不器用で頑固な男と、どんなに酷い目に遭わされても他に行く所がない哀しい女の物語、と一言で言ってしまえば簡単だが、あまりにも妻に対する夫の暴言・暴力が強烈過ぎて、印象は最悪。強烈にやられている割には妻の納まり方も不自然だし、最後はとりあえず落ち着くところに落ち着いてはいるのだが、そんなことでチャラにできるわけもなく、何となく後味の悪さだけが残った。男尊女卑の思想が根強く残る地域社会の特殊性や、牧牛を所有しているカウボーイとそうでない者との経済格差等を考慮に入れたとしてもなお、感情の部分ですんなり受け入れることはできない。ザンディが家族と離れて独りで暮らしている背景にも、何となく父親からの暴力を推定させるものがある。あのかわいい子ども達が、暴力の連鎖から逃れることができるのか心配だ。