1.三國連太郎演じる社長と、黒沢年雄演じる学生が意気投合。要するに釣りバカ日誌な訳ですが、釣りが取り持つ縁ではなく、こちらは銃つながり。過激派学生が幅を利かせる大学に嫌気が差し、主人公の青年は、射撃が縁で知りあった社長の片腕となって働く決心をするが、こちらのスーさんは、あくどい事も辞さずに成り上がった、かなりの曲者。って、アチラの釣り好きスーさんも実は陰で悪どいコトしまくってるのかもしれないけれど。それはともかく、それを機に、青年は、社長と敵対する者たちとの抗争に身をおくこととなり、場合によっては殺人にすらも手を染める。というハードボイルドな作品ではあるのですが、監督が福田純。ゴジラ映画の監督さんですねえ。さすがに本作ではあんなオチャラケはやってませんけれども、ノワールでアンチモラルな物語の割りには、過激さはまったくといっていいほど感じさせない、比較的控えめな印象の作品になってます。むしろ、スーさんも含めた“わるいやつら”が闊歩する社会の中で、スーさんに賭け、時には悪事にも手を染めながら、スーさんと一緒に成り上がることを夢見た青年の一途さを描いた、青春映画とも言えるでしょうか。