7.もう冒頭から、ヘタな芝居、クサいセリフ、アホな演出の相乗効果で、すっかり観る気が失せてしまい、そういう先入観を抱いてしまったせいか、良いところが全然見当たりませんでした。この時代の映画って、みんな同じ演技(特に若い女性)や演出・セリフで、もううんざりですね。特にこの映画は、アイドル使って芸術っぽいことをしようとして大失敗した典型のような気がします。相米監督は好きな作品もあるし、斉藤由貴という女優も好きですが、これは見る価値ナシです。 【ramo】さん [CS・衛星(邦画)] 1点(2014-03-15 19:05:28) |
6.なんじゃこのクサイお話は。お話もクサイが演技も「お芝居」であることが前面に出すぎている。冒頭の長回しも相米監督の他の作品の長回しとは趣向が違う。えらく「仕掛け」じみている。自由さがない。セットのせいだけではない。相米監督の作品はどれも独創的ではあるが、この相米らしからぬ演出が成された作品もまた別方向に独創的だ。らしくはないけどけして悪くもない。というかこんなクサイお話、ふつうに撮ってちゃただクサイだけ。「お芝居」にしちゃったほうが面白い、と思ったのかどうかは知らん。相米印、ずぶ濡れの女優は相変わらず。で、ずぶ濡れにされたときの表情はやっぱり相米の映画。演出を超えたものがある。脚本には書けないものを生み出そうとしている。女の子が女へと成長する過程を描くことに関してはここまでわかりやすいものもない。うん、相米映画だ。 【R&A】さん [CS・衛星(邦画)] 6点(2011-02-02 16:05:47) |
5.《ネタバレ》 孤児の少女のラブストーリーといったような前時代的少女小説の世界を、アイドルを主人公に据えて描くというのは、大映ドラマの例を持ちだすまでもなく80年代における一つの潮流であったように思う。そういう意味で本作の物語自体は、少なくとも80年代当時は、そう突飛なものでもなかったのかもしれない。突飛なのは物語ではなく、相米慎二によるその描き方だ。開巻劈頭、十数分に渡って数シーンワンカットで繋がれていく長回しに、もはや必然性などかけらもない。ケレンじみたアクロバティックな荒技を見せたいから、有無を言わさず見せる、それだけだ。あるいは、物語を語る上で重要な核となる殺人事件を一旦は描きながらも、肝心のその真相は、うやむやなまま我々の目前で放置される。説明するなど野暮なこと、とばかりに、ことの顛末を語る真犯人の独白にあえて音楽をかぶせて掻き消してしまう念のいれようだ。アイドル映画を乱暴に作家主義のカルト映画にねじ変える相米は、そんなふうに物語ることを時に拒絶し、破綻させもする。その一方で彼が熱心に描くのは、花の首飾りやら王冠をあしらった斉藤由貴がオートバイの二人乗りで無意味にのけぞりながら松田聖子の「夏の扉」を歌う可愛らしくも危険な曲芸だったり、彼女が榎木孝明、世良公則らとトライアングルを陣どって三角形に「対話」する空き地でのせつないキャッチボールだったりする。そうやって彼は斉藤由貴が全身を使って生き動くさまを一心に捉え、あげくのはてには北海道の冷たい河に服を着たままの彼女を無謀に飛び込ませる。『ションベン・ライダー』では河合美智子が『お引越し』では田畑智子がそれぞれ海や湖に入るシーンがあるが、本作の斉藤由貴の場合、足も着かず流れも速い大河ゆえその危険度は桁違いだ。思えば歴代の相米映画の活発で動的な少女たちの中で、異色と言えるほど内省的かつ静的な印象のある斉藤由貴である。このあまりの乱暴さは相米にとって、彼女から全身全霊の動的輝きを捻り出す賭けだったのかもしれない。そしてその賭けはまんまと成功している。バックに流れるふざけたような笠置シヅ子の「買い物ブギ」は、賭した期待に見事応えた斉藤由貴に捧げる、相米の照れ隠しいっぱいの、愛だ。言うなればこの映画はガキ大将が好きな女の子に宛てたラブレターである。乱暴でハチャメチャで強引で素直じゃなく支離滅裂な、そんな愛いっぱいのラブレターなのだ。 【BOWWOW】さん [映画館(邦画)] 9点(2009-08-19 00:34:58) (良:1票) |
4.基本的にこの監督は好きじゃない。が、二十数年前に観たこの映画は良かった記憶があって久しぶりに見直したのだが、映画の内容より、なぜこの監督が好きじゃないのかを確認してしまった。ちょっと脱線ですが好きじゃない理由から。 結論から言うと、この方の映画は映画である必然を感じない。映像を演出するというより、舞台の芝居を演出して、それをフレームに収めているような作り方です。引きの客観視点からの長まわしは、多用されると登場人物の心情が遠くへ行ってしまいます。この方の最も特徴的な文法ですが、しっくり来たことは無かった。撮り方だけではなく、芝居の付け方も舞台っぽいと思います。役者がいきなり歌ったりパントマイムっぽいことをやったり。この映画でいうと、やたらと水に浸るシーンなどです。誰かに見られている、ということを前提にしたような芝居って映画らしくないし、オーバーに演じて丁度いい舞台芝居を見せられているようです。そして一番よろしくないと思うのが、ここぞという場面で常識的にはやらないアクションをさせたがること。リアリティからの逸脱ですね。この方の美意識の中での象徴表現なのでしょうが、自分には鼻に付くことが多かった。これはあくまで自分の主観ですので、ファンの方は気になさらずに。 この映画に関してはデビューしたての斉藤由貴の瑞々しさに尽きると思います。健気な元気さと繊細さとちょっと調子がズレてる彼女の個性が早くも発揮されてます。でも、今観るとかなり無理矢理な設定でした。二十数年前の自分は8点くらい付けていたと思いますが、見直してしまったためにこの点数。 【アンドレ・タカシ】さん [映画館(邦画)] 5点(2008-12-31 02:36:59) (良:1票) |
3.あのころ由貴ちゃんが好きだったから見たんだけど、いま思うと、これが相米映画の最高傑作じゃないかと思う。こんなジャンバルジャンとコゼットみたいな話が、日本のどこにも存在するわけないし、こんなストーリーもあるわけないし、そもそも時代設定もまったく不明だし、こんなものを作ろうと思った動機もまったく不明。どんな欲望があるのかぜんぜん分からない。『台風クラブ』みたいな話なら、まだ現実にもあるかもしれないけど、『雪の断章』の話だけはありえない。こんなありえない物語を、長回しのリアリズムで撮ってしまった時点で、これは異常な傑作なんじゃないかと思う。テント芝居をそのまま映画にしたようなもんだといわれればそれまでかもしれないけど、それを抜きにして考えれば、この作品世界はあまりに異常なところにいっちゃってます。 【まいか】さん [ビデオ(邦画)] 8点(2004-03-19 13:05:36) |
2.《ネタバレ》 私も↓【ぐるぐる】さんと同感想です。やたら川に入りたがる斉藤由貴と冬の函館の海で自殺を図ろうとする世良公則(しかも、殺人の理由がしょぼい)に、ちょっと……。冒頭の長回しの部分で期待感が高まっていただけに、後の展開に不満がありました。チラっとバイオリン弾きなんかが出ていたりして、メルヘンって感じが良かったんですけれどね~。サチコさんが斉藤由貴に「よく焼香にこれるわね」なんて言って焼香草を投げたところでは、あまりにもベタで笑いが。それにしても雨の中、斉藤由貴が育ての親(←誰でしたっけ?)を振り払う場面の後ろのほうで、変な儀式をしている団体がチラリと見えたんですが、アレ何だったのでしょう。ただ「偽善者!」って言葉はちょいとブームがきそうな予感がします。ガキっぽい斉藤由貴がたまらないという人もいらっしゃるとは思いますが、『東京上空いらっしゃいませ』の牧瀬+中井のほうが、かなりいいですね。 【元みかん】さん 4点(2003-11-19 19:57:46) |
1.うっ・・・こ、これはどうなんでしょう。さるジャズ喫茶のマスターにお薦めいただいた作品なのですが・・・。いや、確かに冒頭のシーンとか素晴らしいし、斎藤由貴も可愛いんですよ。でも、お金持ちの家族がすげーやな奴らだったりするところとか、何か大昔の少女漫画のようだし・・・うーーん、修行が足りんのだろうか・・・。 【ぐるぐる】さん 4点(2003-11-19 18:41:41) |