1.コミックが原作だが、なかなか忠実に作られている。起用俳優が若干イメージと異なるものの大きく期待を裏切られることはない。若手俳優が主人公であり、その仲間も若いという点が従来のやくざ映画と比べて珍しい点でもある。原作を知っている方は御存知かと思うが、主人公の唐沢辰巳はアウトローな身分でありながらも非常にヒーロー然している。仲間を見捨てず、性根の腐った相手を容赦なくぶちのめし、キメ台詞を吐く。実はこの設定は昔から日本人に好まれてきた勧善懲悪スタイルであり、展開はまるでアウトローな水戸黄門。だからか暴力描写があっても安心して観ていられる。やくざ映画の入門編としては文句なし。映像がやや粗雑なのがマイナス要素ではあるが。