非常に尺の長い映画だったが、その長さをまったく感じさせること .. >(続きを読む)
非常に尺の長い映画だったが、その長さをまったく感じさせることなく、それでいてあくまで淡々としたストーリー展開に感服した。それは雰囲気は確かに淡々としてはいるが、描かれる物語の鮮烈な濃厚さゆえであると思う。傷つき、ある意味では盲目的に回復の旅を歩んでいく登場人物たちの微妙な心情が極めて丁寧に描かれていく。役所広司の熱演、青山真治監督の秀逸な映像感覚もさることながら、注目すべきは宮崎あおいの愁う瞳の奥に輝く可能性であろう。