<ネタバレ>原作とは、かなり、相当、全然違うので、あくまでもこの作品を観 .. >(続きを読む)
<ネタバレ>原作とは、かなり、相当、全然違うので、あくまでもこの作品を観ての感想です。
映像的には、一言で言えば「良くぞ撮った!」という感じ。長回しも確かに凄いけれど、巨大なセットを使った戦闘シーンは臨場感満点。グレー主体の淡い色調が、上手い具合に全体に統一感を与えています。
ストーリーは、2時間にも満たない尺の関係からか、かなり説明を端折っているけれど、それがかえって無駄のない表現を生み出しているとも思えるし、背後関係とかについて想像を膨らまして観ることで、かえって作品を楽しめるかも。
そして肝心のテーマ。人間だけが生殖能力を失くし、犬も猫も羊も鶏も馬も鷗も…他は普通に種の存続が出来てる。その中にあって理由はともかく生まれて来た赤ん坊。子どもを失った悲しみから妻と仲違いした男が、その出産に一人立ち会うばかりか、見よう見まねで赤ん坊を取り上げる。そして、出産のため、赤ん坊の命を守るため、次々に命を投げ出す大人たち。赤ん坊の泣き声、姿を目の当たりにして、跪く難民たち、そして兵士たち。全てがひとつの「命」に向かって吸い込まれていく。
表現出来ていると思いますよ。主人公が、何かにつけて動物たちに好かれているのも象徴的。
観終わって、妙に納得してしまった1本でした。
それにしても、この邦題は困ったもんだなぁ…。