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<ネタバレ>素晴らしいドキュメンタリームービーです(実話を元にしているので演出込みであえてドキュメンタリーと呼ばせていただきます)。予告編を見た時点では人種差別をテーマにした映画と思っていましたが(それは間違っていないのですが)宇宙開発も充分メインテーマでありました。宇宙開発史映画としてもアポロ13やライトスタッフなどと問題なくタメを張れるレベルにあります。また、この映画を見れば当時の人種差別の実情がわかって非常に興味深いです。例えば白人側と黒人側で意識が違うこと。白人側は人種「分離」といい黒人側は人種「差別」という。COLORED(有色人用の)のトイレがなかったり、COLOREDのコーヒーサーバーの中身を入れてなかったりしても悪いとも何とも思っていない。WHITE(白人用の)のサーバーを用意するときについでに入れるだけなのにそれすら思い浮かばない。白人側は差別しているつもりがないから。私は、白人側が自分たちが差別しているということを意識しながら行っていると思っていたのでこの発見は驚きでした。それでもNASAはマシなほうで、ケビン・コスナー演じる室長がキャサリンの魂の叫びを聞いて(ここは胸のすく思いがしました)トイレの区別を無くしたり特別な会議に出席させたりしたのも、実力があるのに人種のせいで生かされていないことに気付いたからでしょう。アメリカでこの映画が公開されたとき、特に白人以外の人たちが子供達をこの映画を見せに連れ出したと聞いています。納得です。また、黒人女性がアメリカの宇宙開発に重要な役目を果たしていたことをほとんどのアメリカ人が知らなかったことも、もしかしたら人種差別の影響の残滓なのかも知れません。できるだけ多くの人に見てもらいたい映画です。
以下、気になったことを箇条書きで。
・最近は20世紀FOXをTwentieth Century FOXと書く他にFOX 2000と書くのね(と思ったら、FOX 2000という子会社なのね、お恥ずかしい)。
・邦題のミスマッチが話題になり『ドリーム 私たちのアポロ計画』が単に『ドリーム』となったが、そもそも『ドリーム』という邦題もセンスないよね。原題の"Hidden Figures"を生かすべきだった。
・全てCGではなく当時の映像をあえて使用するのもドキュメンタリー要素を増やす結果になり良かった。
・ケビン・コスナーが一時ほどの人気がなかったなんて信じられないなぁ。演技が下手なわけでもないのに。[良:2票]