<ネタバレ> このような映画が作成されること自体、今のアメリカは良い国に .. >(続きを読む)
<ネタバレ> このような映画が作成されること自体、今のアメリカは良い国になったのだろうなと思われます。
「赤狩り」。帰国したときのメリルにはまだ他人事。なぜなら共産党員ではない自分には関係のない話だと思っていたから。
ですがメリルの考えは甘かったようです。
密告の強要。自白の強要。事実の歪曲。仕事関係者への圧力。
メリルの想像もつかない国家権力の暴走がハリウッドを侵していました。
振り返れば、帰国時のラリーの様子は、これからメリルの身にふりかかる災難を予想させるうえで十分すぎる効果を発揮しています。
一人の無実の人間が、容疑をかけられ、仕事をうばわれ、友人関係を壊され、社会から強制的に排除され、何一つむくわれないままラストを迎えるので決して後味の良い映画ではありません。(ラストの友人の証言には少し救われますが)
ですが「赤狩り」の歴史を知る映画としては、国家権力の暴走の恐ろしさを知る映画としては、とても良い映画だと思います。