<ネタバレ> 登場人物たちのパワーバランスが崩れたり逆転したりする心理サ .. >(続きを読む)
<ネタバレ> 登場人物たちのパワーバランスが崩れたり逆転したりする心理サスペンス系のドラマは大好きです。今作のように、リーダー格のわがまま王子と、真面目な気弱青年のパワーバランスが見事にひっくりかえっていく様はなかなか見応えがあります。更には第三者グループに属する警察や犯罪者チームの不穏な動きが、作品全体に更なる緊張感を生み出しているようです。
特に、犯罪者チームが徐々にアレックス(ユアン)たち3人に辿りつくまでの様子を恐ろしいエピソードと共に映し出しておきながら、まさかの瞬殺という結果になるとは誰が予想できるでしょうか。ラストのオチよりこっちのほうがよほどショッキングで、そりゃあアレックスがびびるのも納得です。
この見事なまでのゲーム運びはスリリングかつ繊細で、全く目が離せません。
それでもひとつだけ残念なことがあるとすれば、三人の信頼関係が、もともとそれほど強く見えないことですね。三人がそれほど仲良しには最初から見えないのです。だいたいアレックスは二人から嫌われているようにしか見えないんですよね。三人の信頼関係を示すエピソードなりキャラ設定なりがきちんとしていれば、衝撃度や不快感は何倍にも増したかもしれません。
ただそんなアレックスがラストでジュリエットを守ろうとしたり、でもそのジュリエットはアレックスを裏切ったりと、三人の本質が垣間見えるラストは傑作です。