<ネタバレ> かなり落ち着いた雰囲気のマフィアもの。
ですが落ちつい .. >(続きを読む)[良:1票]
<ネタバレ> かなり落ち着いた雰囲気のマフィアもの。
ですが落ちついているのは雰囲気だけで、中身は結構凄惨ですよね。
忠義を尽くしていたのに、妻子を殺されたうえに、父同然に慕っていたボスから命を狙われるマイケル・サリヴァン(トム・ハンクス)。
元凶はコナーというボスの息子。それは皆わかっているのに、ボスの息子だから、誰も手が出せない。理不尽なストーリーに怒り心頭です。
サリヴァンは、父親としてもマフィアとしても一流。ある意味、ヒーローとしての側面を持っていると言えるでしょう。
だから、救いようの無いストーリーでも、サリヴァンのダークヒーローぶりに、一筋の希望を期待せずにはいられないのです。
最低の状況からの大逆転を期待してしまうのです。
実際は、妻子が殺されて、サリヴァンがその報復を始めたときから、真のハッピーエンドなんてありえないのに。
そういった意味では、『家族の幸せエピソード』を序盤で『描きすぎなかった』のは逆に良かったかもしれません。そこを描きすぎていたら、家族が失われた悲しみのほうが、映画を支配してしまいそうです。
ラストはせめて二人の幸せを願っていたのですが、何とも後味の悪い結末。
にも関わらず、サム・メンデス監督の、とてつもなく上品な演出で、悲しさを最小限に抑えてしまっているのは凄い。
それどころか、息子のナレーションでしめちゃったことで、まるで感動的なドラマのような仕上がりに。とんでもないですね。
この映画は、『マフィアもの』か、『家族ドラマ』か。
正直どっちつかずの印象ですが、良く言えば『合わせ技一本』みたいな作品だと思います。
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