<ネタバレ> 多角的なアングルから撮った山の絶景とクライマーアクションが .. >(続きを読む)
<ネタバレ> 多角的なアングルから撮った山の絶景とクライマーアクションが雄大かつ壮大。高所恐怖症な人は決して見ないほうが良いであろう数々のシーンに、冒頭から惹きこまれます。 助かるとばかり思っていた女性が助からなかったのはちょっとショッキングで意外ではありましたが、なるほど、それがウォーカーという人物設定につながり、彼を取り巻く人間関係のドラマを生み出していくわけですね。ただちょっとだけ残念だったのは、この人間ドラマが映画の中でそれほど広がってはいかなかったことでしょうか。現金強奪組のみなさんが出てきてからは、クライマーアクションすらやや影を潜め、普通のドンパチサスペンスアクションへと移行してしまうんですよね。だから、ウォーカーのトラウマも、ハルとの確執も、途中からはとってつけたような“ついで”にしか見えなくなってしまった気がします。
現金強奪組のみなさんとのバトルは、それはそれで面白いです。悪役のみなさんもただの脇役、やられ役では終わらず、それぞれの個性を充分に発揮してくれる奮闘ぶり。クライムムービーとしての完成度は高い。ただクライムムービーとして面白くなればなるほど、せっかくの設定の特異性ってのが薄れてしまう皮肉な結果になってしまったのかもしれませんね。
まあそれでもアクションとして、サスペンスとして面白いことに変わりはありません。ブルーレイディスクになっていることも嬉しかったです。(映像がきれい!)あきらかにここだけ撮影セットじゃん、と興ざめになっちゃうシーンもあったんですが、細かいことにこだわらなければ、高所恐怖症の方を除いて誰にも楽しめるサスペンスアクション。こーゆー映画もきっと大事だし、こーゆー映画が僕は大好きです。