<ネタバレ>冒頭に映画学校のロゴが出る。日本国内では2020年の「なら国 .. >(続きを読む)
<ネタバレ>冒頭に映画学校のロゴが出る。日本国内では2020年の「なら国際映画祭」の学生映画部門で上映されているので学生が作ったものらしい。題名以外の文字情報は英語/ラテン文字で書かれて世界向けになっている。
最初に姉(レナ)が何を考えていたかはよくわからないが、一応の説明としてはスラブ人の慣習である「戦士の葬式」をすると死に対する姿勢が変化するという噂があり、これを信じて決行したことになっている。例えば姉は都会で働くビジネスパーソン(経営者?)で、さらなるステップアップを目指した自己改革の試みというようなことだったか。
しかし実際やってみたところがそういう結果というよりは、妹(字幕はオリガ、台詞では愛称のオーリャ)との人間関係が劇的に改善されて終わっただけに見える。これで所期目的が達成されたのかは不明だが、自分本位で人を振り回すタイプだったのを見直すきっかけにはなったかも知れない。個別の映像の意味も不明だが、例えば尿の温かさは生きている証拠、松の若木は新しい人生の始まりの象徴だったとか。
なおホテルで妹のいる部屋と隣室の窓を並べて見せていたのは少し面白かった。隣室の2人が姉妹の本来望まれる姿を表していたようでもある。
登場人物としては、姉は顔だけ見ると細身そうな感じだが、実は皮下脂肪が厚いようで寒さに強いのではと思った。ただ寒いは寒いだろうから腹を出して寝るなと言いたくはなる。また妹は、姉に名前を呼ばれて何!(Что! / Shto!)とドスのきいた声で答えたのは少し笑ったが、その後に眠れずそわそわしている姿は印象的だった。朝の場面では、姉をどつく前に一瞬溜めを作っていたのも面白かった。
ほか現地の風景はいい感じだった。土が凍っているというのはツンドラかと思わせるが、姉妹がいたホテルは首都中心部から南西100km程度の場所にあり、極北の地というわけでもなく大都市圏の郊外である。このHOTEL “PINE RIVER”は、現地語ではダーチャホテルという触れ込みなので、都市住民の別荘である「ダーチャ」の気分で泊まれるコテージということかも知れない。