<ネタバレ>子供時代を過ごした孤児院に家族と共に移り住み、自分も素敵な孤 .. >(続きを読む)[良:1票]
<ネタバレ>子供時代を過ごした孤児院に家族と共に移り住み、自分も素敵な孤児院を開設しようとするラウラ。しかし引っ越してから、自分の息子・シモンが目に見えない子供たちと遊ぶようになり、次第に不可思議な出来事がこの洋館で起こるようになる。戸惑うラウラにさらに追い討ちをかけるようにシモンが謎の失踪を遂げ、そして彼女の現実が徐々に狂い始めてゆく。もう、いかにもギレルモ・デル・トロといった、現実と妄想と幻想が絶妙のバランスで絡み合った重厚なダーク・ファンタジー作品。「パンズ・ラビリンス」をこよなく愛する自分としては、あの傑作映画の母親版といった趣きのこの作品も、見事に僕の心を射抜いてくれました。いかにも暗闇に何かが潜んでいそうな巨大な洋館で繰り広げられる、過去に起こった悲劇的な出来事と現代の親子の確執が複雑に交錯する暗鬱なストーリー。ラウラが人智を越えた存在と宝探しゲームやだるまさんが転んだをするところなんか、心の底からゾクゾクさせられてしまいました。そして、最後に明かされる自分の息子の悲劇的な真実……。相変わらず、徹底的に救いがないラストなのに、想像力という人間の持つもっとも強い力のおかげで、微かだけど、今にも消え入りそうなのだけど、非情な現実に決して負けない、美しい希望を感じることが出来ました。ギレルモ・デル・トロが映画を作り続ける理由って、恐らくそんな人間の想像力の美しさを信じたいからなのだろう。[良:1票]