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<ネタバレ>綺麗事など一切通用しない欲望の街・ラスベガスに辿り着いた、何もかもを失ってこのまま死ぬまで酒を飲み続けてやろうと決めた、ニコラス・ケイジ演じるアル中の脚本家ベン。そんな彼が絶望のどん底で出会ったのは、都会の片隅で今にも枯れそうになっている、エリザベス・シュー演じる娼婦サラだった。社会のどこにも居場所を見つけられなかった二人は、どこにも出口などない刹那的な恋にただひたすら堕ちてゆく……。正直、恋に恋する女子高生が観たらトラウマになりそうな映画だけど、一時期、酒に溺れてどうしようもない生活を送っていた僕のような人間には、主人公の酒のせいで全てを失ってしまったのにそれでも酒を止められない絶望感が痛いくらいに分かって本当に切なくなってしまう。「自分なんか死んだほうが社会のためだ」とひたすら酒を飲み続けたベン、そんな彼を「本当は一緒に生きてほしい」と願いながらも優しく見送るしかなかったサラの悲しみがいつまでも胸に響く。まさに大人のための良質の恋愛映画です。