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《ネタバレ》 なにぶん中国も大変貌を遂げたし、毎日あったり前に戦争のニュースが新聞に乗る時代になったからインパクトは減った。だが今でも一読しておく価値がある作品だろう。あのラストは、当時どんなポリティカル・サスペンスよりもショッキングだった。
あえてネタを書いておくと、この物語は西遊記のキャラクター配置を真似て構想されている。いるんだが、そんなものは明後日にうっちゃられて無茶を承知のバカが展開される。このマンガで勃発する戦争が、容易にイラク戦争に重ねられる点もまた、「国際社会の本質って何も変わってないねー」としみじみ嘆息できるアルヨ。 ウェルメイドに乾いた笑いを共有してくれい。 ネタバレ的余談。 個人的な推理ですが、このマンガの奥付け(スタッフリスト)も「仕掛け」が一枚噛んでると思ってます。なぜなら、3人にスペシャルサンクスが捧げられてるから。ラストでアメリカに渡った大友がコミック誌に描いた「売れる戦争マンガ」こそが、本作の中国パート…と考えると、全体構成が(マンガ業界への皮肉も含めて)ビシッとキマる。 もしかするとこの、交互に語られるギャグとシリアスの物語は、「本物の戦争」の周囲をグルグル回りつつも一向に核心へは近付いていないのかもしれない。原作の矢作がどこまで考えているかは知らないが、情報に踊らされる日本人まで包み込んだ重層的な構造を感じてしまうアル。 【エスねこ】さん 10点(2007-11-06 22:00:15)
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