みんなのシネマレビュー |
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ネタバレは禁止していませんので 未見の方は注意です! 【クチコミ・感想】
12.《ネタバレ》 ただただ、会社のクソっぷりに腹が立ちました。と言っても主人公に一方的に肩入れしているわけでもありません・・・。 では、何に腹が立っているのかというと、経営者の覚悟のなさ加減です。会社経営はきれいごとだけでは出来るものではありませんから、利益が出ない厳しい状況であれば倒産を避けるために人員整理や給与削減はやむを得ないと思います。 ただ、それをなぜ経営者が決断せず、社員の投票で決めさせるのか。これは民主的で社員の意思を尊重しているようで、実は、自らが描いたシナリオに社員をのせて、さも社員たちが自らの意思でその結果を決めたと思わせる卑劣極まりないやり方でしかなく、しかもそのシナリオが投票結果がどちらに転んでも良いときており、怒りを感じます。 おまけに最後のやり取りも最低極まりなく、心の病から立ち直ったばかりの主人公を再び奈落に落とし込むような仕打ちは目もあてられません。 しかしながら、その最低ぶりが主人公を逆に前向きにさせる一因でもあって皮肉なものだなとも思いました。 【TM】さん [DVD(字幕)] 7点(2018-08-30 22:10:36) 11.ボーナスか解雇かという非情な選択も小規模な会社が経営難に陥ればあり得ないことでもないと思う。だがその選択を従業員の投票で決めるのはとんでもない話だし、解雇の当事者が他の従業員の家を説得に回るということは到底考えられない。たとえ職場復帰できたとしても人間関係がぎくしゃくしてうまくいかないだろう。そんなありえない設定にも関わらず、人物描写もいろいろで堂々と映画にしているのには恐れいる。これで何も得るものがなかったらつまらない映画になっていたかもしれないが、再投票の結果サンドラは何かをつかんだと思う。少なくとも鬱病は克服できたのでは・・・。 【ESPERANZA】さん [DVD(字幕)] 6点(2017-07-25 16:35:38) 10.《ネタバレ》 深刻な鬱病を患い、職場を休職せざるをえなくなった中年女性サンドラ。長い療養の末、ようやく病状が安定してきた彼女は苦しい家計を少しでも楽にしようと職場復帰を決意する。だが、そんなサンドラに新たな試練が立ち塞がるのだった。上司である主任からの新たな提案。それは、彼女の復帰かそれとも16人の同僚への一律1000ユーロのボーナス支給か――。同僚たちによる多数決で一度は解雇が決定したサンドラだったが、社長に直接掛け合った結果、連休明けの月曜日にもう一度再投票することが決まるのだった。子供も抱え、精神状態も安定しない彼女、どうしても仕事を辞めるわけにはいかない。サンドラは、夫と共に自分へと投票するよう職場の同僚たちに訴えていく。果たしてサンドラは無事に職場復帰できるのか。本作は、明日の自分を守るために街を奔走するそんなサンドラの〝週末〟をドキュメントタッチで切り取ったヒューマンドラマだ。何処にでも居るような平凡な一市民の何気ない物語をこうしてクローズアップすることは確かに意義深いことだと思う。目の前の現実に押し潰されそうになりながらも必死に抗おうともがくサンドラの姿は胸を打つし、彼女に対して様々な反応を見せる同僚たちの対応もリアルで考えさせるものがある。何気ない映像がずっと続くのに、それを抜群のセンスで編集し最後までちゃんと見せきるこの監督の手腕は大したものだ。だが、一遍の映画としてみればさすがに小粒すぎやしないか。これはこれで素晴らしいことだと思うのだが、僕はもっと胸を深く貫くような、あるいは美麗な映像で自分の知らない世界へと連れていってくれるようなものを映画には求めたい。 【かたゆき】さん [DVD(字幕)] 6点(2016-08-29 23:22:52) 9.《ネタバレ》 ダルデンヌ兄弟の新作。会社は金を得るための集まり。時として一緒に助け合ったりして働いてる「仲間」なのに、その「仲間」より金の方を優先する人も出てくる。サンドラは、ボーナスか自分かの選択を突きつけられた「仲間」に接していくうちに、この会社は一緒に働くのに値しない会社だと分かってくる。結局、サンドラはクビになるのだが、ボーナスより彼女を選んだ仲間には、大切なものを失わずに済んだ誇りのようなものが残る。ダルデンヌ兄弟は、新しい社会の病理などに飛びつかず、今足元で起こっている人の絆の問題を、改めて何度も何度も映画にしていく。新しい社会問題を取り上げるのだけが、映画ではない。もしかすると歴史に残る作品は、ダルデンヌ兄弟の方の作品かもしれない。 【トント】さん [DVD(字幕)] 7点(2016-07-30 13:54:19) 8.《ネタバレ》 自分を犠牲にしてまで相手に尽くす事ができるか。という、答えの出ない問い。 本作はその問いを投げかける。そして、主人公は自分の生活、復職を犠牲にして、自分を守ってくれた人を最後に守る。 否定のしようのない立派な行動と結末。 だがその不変的な問題に対する、暴力的にも思える圧倒的な正論が、困窮してるようには見えない主人公一家共々どうしても上辺だけの浅薄な結末に思えてしまう。 【ちゃじじ】さん [DVD(字幕)] 4点(2016-07-01 02:02:12)(良:1票) 7.《ネタバレ》 主人公やその夫に共感できず、モヤモヤした気持ちを抱きつつ話が進むが、それでも物語に惹きつけられるのはコティヤールの巧さか。終始暗い顔をした主人公が初めてはじけた笑顔を見せる、自分の辛い状況を語るかのような暗い歌をきいて笑う車のシーンがとてもよかった。ラストの落し処もしっくりくる。 【カワウソの聞耳】さん [DVD(字幕)] 6点(2016-05-01 19:27:10) 6.ヨーロッパ映画だな~って、しみじみ思ってしまう..派手で娯楽性の高い、ハリウッド映画とは対称的な、重~く、身につまされる、作品..淡々と(長々と)、ひたすら復職を願い、同僚に会いに行く主人公を撮り続ける..ヒューマンドラマ..不覚にも、サッカーコーチをしていた同僚..告白シーンで、泣いた..クライマックスの、主人公の言動(決断)、人として とても共感できた..最後、歩いて行く主人公の横顔..軽くニヤりと笑ったように見えたが、そのシーンが意味深く、とても印象的だった..本作のシチュエーション..他国のことながら、如何なものか..日本では、そうそうない事だと思うのだが..とてもシリアスでリアル、観ている者に、問題を投げかけ、考えさせられる、秀作... 【コナンが一番】さん [DVD(字幕)] 7点(2016-02-15 20:33:16) 5.ある子供、少年と自転車はまったく自分には合わなかった。 そんな中で、今回この映画みて、やっぱり面白い映画だとは思えなかった。 いつも登場人物に共感ができない。 【aimihcimuim】さん [DVD(字幕)] 4点(2016-01-09 23:17:52) 4.《ネタバレ》 そもそも「解雇」か「ボーナス」という二者択一の設定が理解不能、そしてそれを社員で投票させるって何? フランスでは当たり前なんでしょうか? 1000ユーロは日本円で十数万。同僚を売ってまでのボーナスなのか? 生活に困窮してるとはいえみなさんそこそこの生活してるし、サンドラ家もまあまあいい生活をしているようで。という様々な疑問をさて置けば、人間模様が楽しめる良き映画でしたがね。 【kaaaz】さん [DVD(字幕)] 6点(2015-12-18 23:06:04) 3.《ネタバレ》 SFやファンタジーも良いですが、やはり現実に即した問題解決を描いた映画が一番面白いと思わせる、素晴らしい映画でした。同僚の家を訪ね歩いて対話を続けるところは常に堂々としていますが、途中で家に帰り泣き崩れて「もう寝る!」とかボロボロだし、リアリティがありました。夫は直接的に妻を救う事は出来ませんが、根気よく声掛けを続けた事はとても参考になりました。物語の途中から始まったようなイントロですが、この映画の前後も色々なエピソードや背景があるのだなと自然と思わせる良い切り口で、サッカーのコーチや黒人の期間工など皆さんの演技も素晴らしかったです。タルデンヌ兄弟の他の映画も観てみたくなりました。 【DAIMETAL】さん [映画館(字幕)] 9点(2015-06-16 13:05:05)(良:1票) ★2.《ネタバレ》 マリオン・コティヤールがとある出来事で傷付いて、 (と言ってもこの映画内ではずっと傷付いているんだけども) 車に乗り込んで、買ったばかりのミネラルウォーターのキャップを夫に開けてもらい、 一心不乱に身体に水分を流し込み、走る車の車窓から傾げた首で風を切り光を浴びる。 苦しさを解き放つ為に。 ああこのワンショットはちょっと力強過ぎて凄いなと思って泣けた。 マリオン・コティヤールの芝居と、決してフレームの中で動くことのない車体と、 それとは逆に車窓外を流れ続ける街並みとが、サンドラという女性の風景だなぁと。 まぁよくわからんけど、そんな感じだ。 ダルデンヌ兄弟の芝居を引き出す能力は本当に凄いものだ。 エンドロールを眺めながら、この映画を端的に表現している曲をふと思い出した。 自分の幸せを願うことはわがままではない 私の涙が乾くころ あの子が泣いてる このまま僕らの地面は乾かない 誰かの願いが叶うころ あの子が泣いてる みんなの願いは同時には叶わない 小さな地球が回るほど優しさが身に付く もうー度あなたを抱き締めたい できるだけそっと というやつだ。まぁそういうことだと思う。 弱者であるとかそんなことじゃなくて、感情を有する人間の本質と だからこそ平等とか平和なんてこの世には存在し得ないという糞哀しい真理。 ならばせめてものってことだ。 君が笑ってくれるなら僕は悪にでもなる、という言葉選びの素晴らしさをも思い出した。 曲と言えば、ダルデンヌ兄弟があんなところでヴァン・モリソンなどを流し、 なにやら感傷的なドラマを生み出したことには少し驚いた。こんなことも出来んのかと。 【すぺるま】さん [映画館(字幕)] 9点(2015-06-06 01:18:32) 1.サンドラはうつ病を克服し、復職のめどが立ったと思い込んでいるからこそ理不尽な解雇に反対してくれる支持者を集めるわけだけど、安定剤は手放せないしすぐ泣くし情緒不安定だし、明らかにうつ病は治ってない。このお話はサンドラがうつ病を完全に克服するまでを描いた闘病映画です。同僚の家を一軒一軒訪ね歩き、いろんなことを言われるわけですよね。嫁が失業して金がいるとか、新しい彼氏と生活するために金がいるとか。同僚たちの大半は経済的に苦しい状況に置かれている。中にはサンドラを批判したり、精神病で休職していた女性に対して言うには度が行き過ぎた冷静な意見を述べる人もいて、サンドラの感情は常に激しく揺れ動いている。でも、サンドラは感情を表情で表現しない。もしくは表情を押しつぶすために必死で、顔で戦争が起きているような状態。安定剤を1箱飲むときも無表情という徹底した鉄仮面ぶり。この差がスリリングで非常に面白かった。何度も支持者集めを諦めようとするんだけど、夫に励まされたりちょうどいいタイミングで支持を表明する人が現れたりして、サンドラは支持者集めを続ける。ここでの感情の動きは、精神が弱っている人とどう向き合うべきか、当事者はどうするべきかを観客に問いかけているんじゃないかと。社長や上司に批判を声を上げるわけではなく、弱者に寄り添った視線(手垢ベッタベタの表現だけど、これが一番適した表現だと思う)で静かに物語を描き出す監督には恐れ入りました。 【カニばさみ】さん [映画館(字幕)] 7点(2015-06-05 19:50:08)
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