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タイトル名 |
バニシング・ポイント(1971) |
レビュワー |
R&Aさん |
点数 |
6点 |
投稿日時 |
2009-05-07 13:43:49 |
変更日時 |
2009-05-07 13:43:49 |
レビュー内容 |
何度かテレビで見ていて印象に残っているシーンはところどころあるんだけど、どんな話だったか全く思い出せず「デス・プルーフ」後に再見した多くの映画ファンに漏れず私もやっぱり再見したのだが、そのおかげでどんな話か思い出せないことに納得できた。だってストーリーなんて無い。ただ爆走するのみ。あるにはあるのだが、爆走する以外のものはムリヤリにとってつけたようなものばかりだ。そのムリヤリにとってつけたものってのはアメリカの60年代後半から70年代初めの社会をあまりに分かりやすく再現したものなのだが、この分かりやすい情景による説明があってもアメリカン・ニューシネマを体験していない者にはイマイチピンとこないのではなかろうか。つまりその情景と無謀な爆走の関係にピンとこないということ。それほどにコワルスキーの心情はこの時代背景なら当然のものとして理解できることを前提にされているように思う。ヒッピー・ムーブメント、フリーセックス、ベトナム反戦運動、ドラッグ、、、。そんな時代にハリウッドに対抗するようにして生まれた反体制派の映画群。この映画はアメリカン・ニューシネマという枠に収まる映画というよりもアメリカン・ニューシネマそのもの。というかコワルスキーの爆走がアメリカン・ニューシネマそのものか。鬱屈した、それゆえに反抗的な社会はただひたすらアンチヒーローを求めて止まない。だからどうしたと言われればどうしようもない。ただ、時代背景を無視した、ただひたすらに爆走する青春映画として見たってそれなりの感慨は得ることのできる映画でもある。 |
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