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タイトル名 |
花と龍(1973) |
レビュワー |
R&Aさん |
点数 |
8点 |
投稿日時 |
2011-09-12 18:41:11 |
変更日時 |
2011-09-12 18:41:11 |
レビュー内容 |
いきなり疾走する汽車がローアングルで撮られる加藤泰印の大迫力の画から始まる。前半が夫婦の、後半が親子のドラマ。ここで描かれる恋女房マンが素敵だ。任侠ものにありがちな女の描き方じゃない。優しいだけじゃない。強い。たくましい。それでいて可愛い。激しく嫉妬する姿すら眩しい。そのマンを演じる香山美子がいい。惚れた。原作は何度も何度も何度も映画化された大河小説。映画タイトルからして大河ドラマだ。168分。しかし映画で描かれているお話は到底168分で語れるものじゃない。でも語っちゃってるのだ。今どきのただテンポが速いだけの映画ではなく、ポンポンと手早く見せてもけしてガチャガチャせず、かと思ったらモノを間に挟んだいつもの加藤印の画がじっくりと時間を使って映し出される。そしてバッサリと切り捨てられる年月。いやはや素晴らしい。しかも168分という時間を感じさせない。物語を語る力に優れ、女優を輝かせ、魅力的な画を残す。こういう映画は尺に係わらず何度でも見たい。 |
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