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タイトル名 |
宇宙人ポール |
レビュワー |
ボビーさん |
点数 |
9点 |
投稿日時 |
2012-01-11 19:00:03 |
変更日時 |
2012-01-13 23:36:00 |
レビュー内容 |
この作品はオマージュ塗れだけど、それ以上に感じるのは製作者側の「大好き」や「感謝」の気持ちとその素直な姿勢です。それらを具体的に挙げていったら切りがないのでぼくはそれに関してはパスしますが、それらを除いても、つまりそれらを一切知らなくても(一緒に行った彼女)楽しめるということが、逆に言えばそれらが映画を面白く、豊かにする上で必要不可欠なものとして描かれているということが素晴らしいです。また、SFを好きということが作中の登場人物たちと観客それぞれをリンクさせてくれます。スピルバーグとそれ以降のSF作品により、ETが宇宙のどこかにいるかもと夢に抱き、未知との遭遇にノスタルジーを感じ、理論を超えた世界にどれだけの人々が神秘的なロマンスを抱いたことでしょう。この作品はそんな構築された時代のさきっぽの今を生きるぼくらにとって最善のSF映画であり、待ち望んだ宇宙人ものだと思うのです。ようするに「まじで宇宙人がいたらどうする?」「そりゃ、なんでもやるさ!だって待ってたんだから、会えるその日を!」です。それを具現化する作業に置いて欠かせないのは、やはりスピルバーグの存在です。彼がいなかったら今のSF映画の流れがどうなっていたかわかりませんし、ファンがいないのも当然ですが、今当たり前のように心にあるロマンスも抱けているかどうか定かではありませんから、この映画が感謝で溢れているのは当然なのです。またそれを描いているのがイギリス人というのも最高です。それが意味するところは冒頭から描かれていますが、ピザを運んできた男にする「宇宙人っていると思う?」の質問の答えが「ぼくも宇宙人(外国人)だもん」であり、この映画はみんな誰かにとっての宇宙人であることを描いていると思うのです。この映画は違いのある人間を理解、尊重し、他者との歩み寄りの重要性をも描いているのです。サイモン・ペッグ脚本作品に一貫して感じられる「みんな争い事とかやめない?未知との遭遇でも観て楽しく行こうよ」という姿勢が素敵なのです。そして、何よりも最新技術を駆使しポールの動き全てを疑いようのないものとして作り上げた技術と、ポールの気持ちいい人懐っこさが相まって一切の違和感を抱く事なく好きになれ、そして今この瞬間も宇宙のどこかで美味しそうに葉っぱを味わっているんじゃないかと想像させてくれる事が、この作品の最大の賞賛ポイントです。 |
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