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タイトル名 |
おとなのけんか |
レビュワー |
かたゆきさん |
点数 |
7点 |
投稿日時 |
2014-10-06 10:34:39 |
変更日時 |
2024-06-07 17:32:55 |
レビュー内容 |
とある平日の昼下がり――。平凡な日用雑貨品を扱うお店を営んでいるロングストリート夫妻のマンションに、日夜訴訟や裁判に追われているエリート弁護士カウアン夫妻が訪ねてくる。目的は、お互いの子供同士の些細な喧嘩によって怪我をさせてしまったロングストリート家の息子のことを話し合うため。だが、徹底的に価値観の違うこの夫婦の話し合いは見事なまでに噛み合わない。どころか、お互いの本音と建前が見え隠れする遣り取りは次第にヒートアップしてゆくのだった。さらにはお互い夫と妻への長年溜めに溜め込んだ鬱憤が露わになり、穏やかな話し合いで終わるはずだった会合はどんどんと修羅場へと化してしまう……。エゴとプライドが複雑に交錯するとある二組の夫婦の徐々にエスカレートしていく〝おとなのけんか〟を、実力派役者陣が軽妙に演じたシニカルなホームコメディ。昔から、ロマン・ポランスキーってあんまり好きな監督じゃないんだけど、これまでの彼の作風からがらりと変わったこの作品は、いい感じで肩の力を抜いて撮られたのか最後までけっこう面白く観ることが出来ました。いやー、大人ってほんと面倒臭いね(笑)。プライドだけはやたらと高い世間体第一な妻たちと、自分のことを常に正しいと信じて疑わない横柄な夫たちとのうんざりするような口喧嘩が延々と繰り広げる本作、ここで描かれるのはいい歳になった大人ならば誰しもが経験したことがある普遍的なもの。ここで酒でもかっ喰らって本音をぶちまければどんなにかスカッとするだろうって誰もが一度は願ったであろう願望を、彼らは見事に実行に移してくれます(ケイト・ウィンスレットにいたっては、実際にゲロっちゃうし!笑)。いかにも更年期真っただ中って感じのジョディ・フォスターなんかホント上手い!果たして、ここまでの修羅場を演じたこの4人、明日から無事に元の生活に戻ることが出来るのでしょうか?本音でぶつかり合った結果、案外結束が強まったりしてね。でも、最後にケータイが復活して再び鳴り始めたことでこの面倒臭~い諍いはやっぱりこれから先も続いていくだろうことを暗示して終わります。うん、最後まで徹底的にシニカルな笑いに満ちた作品でありました。ラストに映し出される、仲直りした子供たちや元気に跳ね回るハムスターには心底ホッとさせられたし。ただ、現在遺産相続などで親戚同士が徹底的に揉めに揉めているときなんかは観ないほうがいいかもです。ますます心が病むこと間違いなし(笑)。 |
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