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タイトル名 |
志乃ちゃんは自分の名前が言えない |
レビュワー |
K&Kさん |
点数 |
6点 |
投稿日時 |
2024-04-04 23:11:41 |
変更日時 |
2024-04-04 23:11:54 |
レビュー内容 |
人と話すのは問題ないけど、大勢の人の前で話すのが大の苦手です。呼吸が詰まって言葉が出なくなり、何を言おうとしたのか忘れてしまいます。少し前まで全然話せてたのになぁ。出来たことが出来なくなって、結構辛いです。 なので、もし私のクラスに志乃のような子がいたら、きっと見ている私も辛くなってしまう。下手したら『私の方がまだマシ』なんて、彼女を下に見ていたかもしれません。
加代役の子の撮り方が上手かったと思いました。志乃と話すとき、まるでお姉さんのように引っ張っていくと言いますか、加代が志乃をリードしていきます。生活するうえで歌が下手なのは隠せるけど、人前で話すのは誤魔化しようがありません。そんな志乃に対する自信が、加代の表情にも出ていました。それがカラオケで昔の同級生にバッタリ出会ったときの顔。あの、弱みを握られた不安気な顔。自分を守るので精一杯な顔がとても良かったです。
音痴を隠して生きてきた加代を、吃音を誤魔化せずに生きてきた志乃が助ける。2人で目標に向かって動き出す。気持ちの良い二人三脚でした。 それをなぁ、菊池がなぁ… 加代ほど友達作りの上手くない志乃が、しのかよを辞めたくなる気持ちが痛いくらいわかります。マイナスにマイナスを掛けるとプラスになるけど、そこにまたマイナスを掛けるとマイナスになってしまう。それでも、2人が出会う以前よりはちょっぴり前進して終わる。 押見修造作品らしい、決してサクセスストーリーとは言えない、見終わった後スカッとするでもない、リアルな青春の切り抜き方でした。 |
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