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タイトル名 |
キングコング対ゴジラ |
レビュワー |
S&Sさん |
点数 |
8点 |
投稿日時 |
2014-03-22 20:07:06 |
変更日時 |
2014-03-22 20:07:06 |
レビュー内容 |
東宝創立30周年記念映画として7年の眠りについていたゴジラを引っ張り出し、なんとキングコングをぶつけるという高度成長期に入った世相に相応しい作品で、いまで言うと『エイリアンvsプレデター』『ジェイソンvsフレディー』といった感じでしょうか。ユニヴァーサルからキングコングの版権をとるのに苦労したそうですが、この映画のキングコングの不細工さは東宝特撮の中でも最悪の部類です、ユニヴァーサルから文句が来なかったんですかね? 対するゴジラは逆三角形の体型であるコングと対照する意図もあって頭が小さく下半身がどっしりしたスタイルで、ファンからは“キンゴジ”と呼ばれ数あるゴジラ・スーツの中でも人気NO.1を誇っています。また本作からゴジラ映画もカラー化されてこの映画の色合いが後の作品にも引き継がれてゆきます。■実は本作は「怪獣ブラック・コメディ」というジャンルを開拓した偉大な功績があるんです。軽い作風の関沢新一の脚本の中でも屈指の面白さで、それが重厚な本田猪四郎の撮り方と見事にマッチングしています。まだTV放送が始まったばかりの時代に、TVとその本質であるコマーシャリズムのえげつなさをブラックな笑いに昇華させてるからもう脱帽するしかありません。有島一郎の宣伝部長の抱腹絶倒ぶりは、同じ東宝の『社長シリーズ』なんか目じゃありません。ゴジラもコングも彼の商魂に乗せられてプロレスしてる様なもので、ラストで観光施設として建てられた熱海城を仲良くぶっ壊すところなんか痛烈な皮肉になってます。■コングが東京に侵入するシークエンスは、オリジナルへのオマージュが感じられます。浜美枝のスクリーミング・クィーンぶりも堂々たるもので、彼女の悲鳴はほとんど泣き声に近く真に迫ってました(吹き替えじゃないと思いますが)。ただエンパイア・ステート・ビルのオマージュとして国会議事堂に登らせるとは、ちょっとみみっち過ぎました。なんで東京タワーにしなかったんでしょうかね、前年に『モスラ』でぶっ壊しちゃったからかな(笑)。 |
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