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ファム・ファタール(2002) - 目隠シストさんのレビュー
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Web www.jtnews.jp

タイトル名 ファム・ファタール(2002)
レビュワー 目隠シストさん
点数 7点
投稿日時 2007-09-16 17:44:31
変更日時 2007-09-16 17:44:31
レビュー内容
こういう味わいの作品は以外と少ないと思いました。いわゆる“アレオチ”では片付けられない。やり直しともいえる2度目の人生。主人公とその共犯者が難を逃れたのは、ある奇跡が起こったから。トラックの運転手に渡したペンダント、アタッシュケース、そしてカメラのレンズ。キーアイテムがフル活用されています。ここで重要なのは、その連鎖がまったくもって“しょぼい”こと。ただの光の反射ですもん。なのに、何故か感心してしまう。それは、ラストカットが美しいから。一枚の画の力で感動を“ねじ込まれる”ような感覚を覚えました。よく考えるとハッピーエンドとは言い難い。しかし何やら清々しいから不思議です。トラック運転手のおじさんは誠にお気の毒でした。主人公と共犯者がまんまと逃げ切ってしまうのも、本来であれば腑に落ちないはず。しかし主人公は、悪は悪でも極悪じゃない。そのあたりの描写は丁寧です。人を殺めたかどうかは、天と地ほどの差があるということ。ソックリさんの命を助け、(結果的に)善行を選択した主人公に幸運が訪れないほうが、スッキリしません。だからこの結末で納得できる。いい感じにキツネにつままれたようなお話でした。
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