4.《ネタバレ》 心身症から目が見えなくなってしまうという神経質な映画監督。2000年以降自身の映画に出演する事が減ってきたアレンですが、これは俳優アレンのお馴染みの役どころでした。台詞に込められた映画界に対する皮肉や相変わらずのユダヤ人ネタを喋りまくる。一つ一つのシーンの台詞まわしや落ち着きのない演技はアレンらしい楽しさがあります。ラストでアメリカでは全く評価されなかった作品がフランスで高評価され、「フランスがあって良かった」と旅立っていくのですが、本作の数年後から実際にアレンはヨーロッパを拠点にした映画を多く発表するようになります。これは全くの偶然なのでしょうか、それとも・・・?意味深な作品ではあります。 【とらや】さん [DVD(字幕)] 6点(2010-08-17 23:13:54) |
3.「ハリウッド」というよりも、「観客も含めた映画に携わる全ての人」への皮肉に満ちたバック・ステージ・コメディ。才能の枯れ果てた嘗ての巨匠、利益のことしか頭にないプロデューサー、言葉の通じないカメラマン(しかも中国共産党員?)、口八丁手八丁のエージェント、そして、盲目の監督が撮った駄作でも「芸術」の一言で許容してしまうアート映画信仰。こんな環境で「良い映画」なんか出来る筈がない。私は「フランスが存在してて良かった…」って台詞が一番笑えました。また、一見いい加減に見えるストーリー自体も、「安易な家族再生もの」や「都合の良いラヴ・ストーリー」への皮肉なってる。もしかして2002年度の作品でモノラル音声ってのが、現在の映画製作に対する最大の皮肉だったのかもしれません、6点献上。 【sayzin】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2007-02-03 00:03:01) (良:1票) |
2.よくまあ毎回毎回同じようなものを作ってくるなあ。もうそれだけで評価しちゃってもいいくらい感心します。相変わらず病的なねちっこさと過敏で多感なキャラが全開で、とくに元妻とのディナーでのお見事な二重人格ショーの長回しが圧巻。そのときのティア・レオーニのおちついた会話の返しも絶妙。映画界を揶揄したコメディの中でさりげなく恋愛ドラマを見せてゆく。この恋愛ドラマの中に、いつもちょっとした展開にちょこっと現れる「せつなさ」が無いのがチト不満。ニューヨークはいつものアレン映画どおり美しかった。 【R&A】さん [DVD(字幕)] 6点(2006-05-18 12:47:20) |
1.《ネタバレ》 相変わらず映像的なクォリティの高さは感じるんですけど、今回のアレンはあまり楽しめませんでした。と、言うのは作中の映画がメチャメチャになって行くのを見るのが苦痛だったのです。アレンなりの皮肉は分かるんです。ハリウッド映画に対しては勿論、ハンドカメラでピンボケで役者の視線をカメラが捉えていないアート系映画に対する皮肉、観客や自分自身に対しての皮肉。けど、大勢の人が程度の差はあれ、やっぱりイイモノを作りたいと一所懸命努力している現場で、監督のアレンは自分の再起の為に目が見えない事を隠して映画を撮り続けるなんて・・。そんな事を気にするのはナンセンスかもしれないし、他ならぬアレンですから百も承知で撮っているんでしょうが、根がマジメなもんで生理的にダメ。どうしても笑えなかったです。ただ、ティア・レオーニはステキでした。話しながらリップを塗ったり、ボクシンググローブで椅子を叩いたりっていう何気ない仕草がチャーミングだったなぁ。ま、アレンは次作の「僕のニューヨークライフ」に期待(その前に「メリンダとメリンダ」か)。前売り買ったけど、よく見たらこれ来年じゃん。ちゃんとなくさず保管できるかしら。 【黒猫クロマティ】さん [映画館(字幕)] 6点(2005-06-13 14:29:42) |