8.《ネタバレ》 現代映画の教科書的存在といっても過言ではないでしょう。冒頭から重厚感のある会話劇、ドン・コルレオーネが襲撃されるシーン、マイケルがレストランでソロッツォと警官を射殺するまでのくだり、「俺たちに明日はない」に触発されたというソニーが有料道路で蜂の巣にされるシーン(親父が彼の遺体を見て「こんな姿では母親には見せられない」と言うシーンは感動的という言葉だけでは表せない)、そしてラストの洗礼式と虐殺の見事なカットバック、もっと言えば新たに生を受ける者と死を迎える者の見事なまでのコントラスト等々…全てが美しすぎる。そして本作最大の評価点は、ファミリー(組織)とファミリー(家族)の描写をどちらも怠ることなく最後まで描ききっているところ。恐怖で支配しているのではなく、人柄から人々に慕われるコルレオーネ(親父)、血の気が多くファミリーの敵は皆排除したいが兄弟思いなソニー、以外にヘたれなフレド、ソロッツォを殺る時はまだまだ青二才だったのに対し、様々な経験をつむにつれて次第にドンとしての風格が出てきたマイケル(時に最後のカルロを殺す時の彼は同じ人物とは思えないほど!)と妹のコニー…3時間弱の映画ながら内容が濃厚なため全く長さを感じさせない演出やストーリー展開もまた見事。こうした映画がまた作られることを切に願っています。<追伸>偉大なるドン・コルレオーネことマーロン・ブランド氏に心よりご冥福をお祈りします。 【クリムゾン・キング】さん [DVD(字幕)] 9点(2004-09-06 16:59:03) (良:3票) |
《改行表示》 7.初代ゴッドファーザーも2代目のアルパチーノも、どちらも暗い部屋での顔半分が見えないあの迫力、最高です。 【2018/03/04追記】どのシーンも素晴らしいがマイケルが父親の入院先の病院を訪ねる一連のシーンはパン屋のお兄ちゃんの演技も含めて緊迫感があってとても好きです。 【2021/01/29追記】病院でのパン屋の兄ちゃんとのシーン、ブルブル震えるパン屋兄ちゃんとは対照的に落ち着き払ったマイケル、自分としてはこのシーンでマイケルがファミリーのドンとなる「器」の持ち主であることを監督は表現していると思った。ソニーやフレドなどと違う冷静沈着なマイケル、大卒で軍にも行って明るい家庭と子供たちに囲まれた堅気の人生を歩むという道もあったかもしれないが、結果としてゴッドファーザーの道を歩むのはやはりマイケルの運命だったのか。 【珈琲時間】さん [DVD(字幕)] 9点(2008-04-30 09:20:21) (良:2票) |
《改行表示》 6.《ネタバレ》 長いので何回かに分けて見るつもりだったのに、あんまり面白くて一気に見てしまいました。おかげで寝不足の一日になってしまった。 どーしても古い映画は敬遠しがちだったのです。 理由➀ 様式美がもてはやされていて、実際の面白さはそーでもなかったりするから。 理由② 様式美に凝り固まっていて、テンポが遅そーだし、退屈そーだから。 理由③ 各ジャンルのパイオニアってだけでもてはやされていて、実際の面白さはそーでもなかったりするから。 そんな自分の浅はかな固定観念をものの見事に粉々にしてくれました。『色褪せない』ってのはこーゆーことなんですねぇ。 小難しい映画かと思っていたのですが、そーでもなかったのも良かったです。 確かに人物相関図はやや複雑ですが、中心人物たちだけ押さえておけばストーリーは割とシンプル。実は単純な成り上がり系ストーリー。マフィアのドンの息子でありながら、堅気の主人公マイケルが、運命に翻弄されてマフィアの世界へと否が応にも巻き込まれていく物語。ファミリーのなかでも、一人だけ非マフィアでボンボンな感じのマイケルが、次第に頭角を現していくのはある種痛快でした。危険で予断を許さない状況のなか、マイケルの一挙手一投足に期待せずにはいられません。 それにしてもアル・パチーノにもこんなに若いときがあったのですねー。最初アル・パチーノだと気づきませんでした。 兄のソニー、相談役のトム・ヘイゲン、暗殺実行役のクレメンザなど、脇を固める面子も強烈な個性。1人1人に大なり小なりドラマあり。にも関わらず、ファミリーの存亡をかけた駆け引き、闘争、そして世代交代というこの映画の本流も決して見失わない見事なストーリー構成。なんとバランスの良い映画なんでしょう。 ただひとつ難を言うなら、マイケルとアポロニアのエピソードは個人的には不要でした。 マイケルには一人の女性を愛し、基本はストイックでいてほしかったものです。アポロニアとのエピソードは、なんだか極上のウイスキーに混ぜられた不純物のようでした。 それにアポロニアが死ぬやいなや、ケイ・アダムスのところに戻っていって、なんと節操のない。 マイケルの好感度を下げるだけのこのエピソード、本当に必要だったのでしょうか。 それにしてもあれだけ事が大きくなるのを避けて慎重に動いていたのに、結局暗殺という力業でカタをつけちゃうんですね~。 もちろん、偉大なるゴッド・ファーザーの死を待っていたというのが理由なんでしょうけど、・・・・それを踏まえても、だったら状況がこれだけ悪化するまえになんとかなったんじゃないかという気も・・・ 【たきたて】さん [ブルーレイ(字幕)] 9点(2023-07-24 00:50:39) (良:1票) |
《改行表示》 5.《ネタバレ》 高校に入りレンタルビデオで借りたが、テープが古くワカメになっていて見られなかった。古い映画でそれ一本しか在庫がなく、返金は受けたけど、見るのは諦めた。そんな過去があり、今回が初見。 ~The Godfather~名付け親とか後見人って意味もあるようだ。 偉大なるゴッドファーザー、ドン・コルレオーネがずっと主人公かと思いきや、割と早くにマイケルの物語になる。カタギの生活をしていたチャラくて大人しそうなマイケルが、自分の意思でファミリーの為、ビジネスの為に手を汚していく様が壮絶。 病院の入口でパン屋と見張りのフリをする。ガクブルのパン屋だけでなく、マイケルも怖かっただろう。そんな、一般人感覚のマイケルが、知恵と勇気でマフィア界で生きていく物語かと思いきや、それもちょっと違う。 シチリア島から帰ってからのマイケルの目が凄い。ヴィトーの、厳しくも慈愛が感じられる表情と違い、冗談や言い訳なんて通じっこない冷たい表情、心の裏側まで見られてるような、感情を感じさせない渇いた目。コニーの結婚式で軍服を着ていた時と全然別人のようだ。 殺しの相手は取引先、ミスをした身内、裏切った身内…見知った人を殺す決断をするというのは、どういう気分なんだろうか。突然殺される身内の驚いた表情。これから殺されるのが解ったテシオの「昔のよしみだ、見逃してくれないか?」何とも切ない。そんな世界。 コニーにカルロの事を問い詰められ、ケイからは本当はどうなのか尋ねられるマイケル。ドン・コルレオーネは表情を崩すことなく「ノー」と言う。嘘だってわかるけど、ホッとするケイ。あの空気から開放されてこっちまでホッとした。 【K&K】さん [CS・衛星(字幕)] 9点(2021-01-29 14:47:10) (良:1票) |
《改行表示》 4.《ネタバレ》 何度か観てますが、年がいってから観て思うことのほうが多いでつ。 ヤクザ・ギャングものということで『仁義なき戦い』を引き合いに出す方もいらっしゃいまつが私は別物と感じたでつ。広能も武田も所詮は組織の中の一人であるのに対しビトゥやマイケルは責任を持つ代表者で、考え方や行動そしてその理由が全く別レベルにあるように思えまつ。確かに暴力や殺人といった手段を躊躇無く選択する点では同じかもしれないでつが、特にビトゥには社会との共存やある面での社会への貢献のようなものを志向しているように感じられまつ。街とともに生きる、これが古いタイプのマフィアということなのでしょうか。これに対しマイケルは戦後の経済的なパワーゲームに向かう流れの中、経営基盤の強化のためラスベガスへ本拠地移転してしまいまつ。拠り所を街ではなくファミリーに求めるようになり、その結束を固めようとしてさらに孤独は深まりまつ。一族経営のヤリ手二代目社長の苦悩みたいな、こんな感じがどこか共感を呼んでいるのではないかと思った次第でつ。 パート2とは続けて鑑賞、これ必須と思いまつ。 【ごりちんです】さん [DVD(字幕)] 9点(2006-12-26 11:45:18) (良:1票) |
3.《ネタバレ》 色彩には、それぞれが喚起するイメージというものがある。中でも、高貴、権力、悪というイメージを喚起するのが、「黒」。この映画はその「黒」に満ちている。登場人物が身につけるスーツやコートはもちろん、高級車、銃器、そして彼らが背負う暗黒。彼らは間違いなく悪なのだが、その闇があまりにも深いために、もはや善悪の境界を超越した威厳すら漂う。 彼らは通常のモラルにおける悪の側にいるというよりは、通常のモラルとはまったくかけ離れた価値観に従って生きている人間、われわれとはまったく違う世界の住人だ。だからこそ罪を犯しても後ろめたく思うどころか、誇り高い。おそらくは法を遵守しながらも成功を収めるだけの知性を持ちながらも、進んで闇の世界を選ぶ。家族や友を心から愛しながら、敵対する者は容赦なく殺す人々。恐怖によって人を支配しながら、自身はけっして恐怖に囚われることのない人々。不謹慎だとわかっていても、彼らに魅力を感じる人たちは少なくないはずだ。 映画を観ている最中こそファミリーの仲間になったような気分でいられるが、扉が閉じられるラストで彼らが別世界の存在だったことを思い出す。われわれ一般人にはただ恐れ、畏怖することしかできない。 【no one】さん [DVD(字幕)] 9点(2005-06-13 11:57:07) (良:1票) |
2.マフィアだからこその人間臭さを感じた。ニーノ・ロータは偉大すぎる。 【プリン】さん 9点(2000-11-21 12:18:35) (良:1票) |
1.男のなかの男。 【たけ】さん 9点(2000-10-13 22:01:30) (良:1票) |