7.《ネタバレ》 この監督さんの撮る「日本」は、本当に情緒があって心が癒されることを改めて実感しました。 素朴で美しい!その一言です。 ラストはコテコテのハッピーエンドですが、いくらひねくれ者の私でも、これをみて涙を流さずにはいられません。 黄色いハンカチが見えることは誰もが想像できたのではないでしょうか? しかし分かっていながらも、実際に何枚もの黄色いハンカチを目のあたりにしたとき、どうしてここまで感動できるのか、不思議に思うのでした。 最近は意外な結末を作ることで、感動させようとしたり、びっくりさせる映画が多いですが、この映画のように、想像できる結末をここまで感動させることができることはひとえに監督の手腕と言わざる得ません。 それと殺人犯でありながら、離婚までした男を待ち続ける女性など、現実的にはいないという意見もありますが、そのとおりだと思います。しかし「ありえないこと」を実現させることも映画の役割の1つではないでしょうか?映画は「夢」であり、「希望」の象徴だということをもう一度、確認させられた秀逸な作品です。 CGで人を感動させたりするのではなく、「人間」を魅せて感動させることこそ、真の映画ではないでしょうか。 それに苦い思い出を背負った健さんの周りには、あの警察官(寅さん)も含めて、いい人が次々と彼の周りに吸い寄せられるように集まってきます。そして、すべての人が健さんの幸せを後押ししているように思えました。私は健さんが喜ぶ姿よりも、健さんが幸せになったことで、喜ぶ周りの人の姿を想像してさらに嬉しくなりました。 【花守湖】さん [地上波(吹替)] 9点(2005-04-15 23:46:36) (良:4票) |
6.《ネタバレ》 最後のロングショット、ハンカチの下、カバンを手渡し上を見上げる健さん、 そして涙でうつむく倍賞さん。セリフ、顔の表情などまったく必要としない、作品を一気に名作に押し上げたシーンなのではないでしょうか。 【monteprince】さん [地上波(字幕)] 9点(2005-04-17 22:08:46) (良:2票) |
5.《ネタバレ》 洋画かぶれで、ケッ!日本映画なんてと、息巻いていた時代の自分を更正させた作品です。大阪の尼崎OSという劇場で平日にみたのですが、結構人が入っており、おばちゃんからおじちゃん、その子供、ほんでもって会社さぼりのサラリーマンさん、お水系のおねーちゃんまで、いてました。さて、上映が始まると、武田鉄矢のシーンでぎゃはは、桃井かおりとのからみでぎゃはは、健さんのシーンではしんみり、と対比がすごく面白かったです。武田鉄矢の役所は言わば、狂言回し。健さんという男の人生を浮かび上がらせるための対比として、起用されたのですね。刑務所から出て来て、もし今も、俺を待っているなら家の物干に黄色いハンカチを出しといてくれ、なんて、ドラマのドラマみたいに本当の話は進むのですが、その間に過去のシーンが回想で語られ、奥さんとの出会い、結ばれて共に生活する場面の展開が観ている者にとって、とても愛おしいものになって来ているのです。いつしか「ハンカチよ、見えてくれ」の願いを画面にぶつけている自分がいるのです。そして、画面には何十枚もの黄色いハンカチが。そして、場内からは何十もの嗚咽が。分っていても泣けてしまういい場面です。衆知のハッピーな結末をいかに見せるか。そこまで、いかに話を繋ぎ、感情移入させるか、脚本も素晴らしいです。そして、山田洋次監督のまとめ方には唸るばかりです。この1本に、日本映画をもっと観るべきだと教えられました。 【映画小僧】さん 9点(2004-03-08 18:15:28) (良:2票) |
4.結末は知っていたけど、それでも泣けた。 私には家族がいるからこそ、余計に泣けた。 家族を持った後、この映画に出会えたことが、より感動を強めた。
やはり最後は理解ある妻の存在か。 これからもっと上さんを大切にしなければ、と身がひきしまる思い。 【にじばぶ】さん [CS・衛星(邦画)] 9点(2013-06-15 15:56:24) (良:1票) |
3.山田洋次監督が喜劇だけの監督ではない所を見せてくれる素晴らしい映画です。武田鉄矢と桃井かおり、そして、高倉健と倍賞千恵子と二つの愛を描いているこの作品、それもいずれも日本人的な愛の描き方をしており、良き日本の愛の形をとても解り易く、更に単なる恋愛ものと描かずに笑いと涙のバランスを上手く描き、観ていて楽しい上に最後はやっぱり良いなあ!てそう思い、本当に良かった。良かった。健さん!めでたし!めでたし! 【青観】さん [DVD(字幕)] 9点(2005-06-11 07:52:50) (良:1票) |
2.干しすぎ! |
1.健さんと倍賞千恵子、桃井と武田鉄矢の二組のカップルをシリアスにユーモラスに平行して描いていくロードムービー。大人カップルの重さを若いカップルで軽いタッチにしてそれぞれの愛の形を見せる。新人だった武田はそのギャグセンスのうまさで注目されることになった。ノーテンキで軽かった武田キャラがラストで愛の大切さに気づき、桃井とほんとの恋ができるのも大人の愛の深さを知ったから・・甘いという人もいるでしょうが、日本映画としては良心的でいい出来だと思う。 【キリコ】さん 9点(2003-03-06 23:01:16) (良:1票) |