《改行表示》 5.《ネタバレ》 昔「バックアップ」という深夜番組で、おすぎがオススメ映画として挙げていたのを思い出します。その時、この人も評論家としてちゃんと映画を観てるんだな~と感心しました。 映画を観始めてから20年以上経ちますが、未だに自分の中で燦然と輝く傑作中の大傑作。 全体を覆う退廃的な雰囲気、それを濃厚なモノに押し上げるトレヴァー・ジョーンズの音楽、そして何よりもミッキー・ロークの脱力した名演。 ボサボサ頭、無精髭、たるんだ体型、だらしない服装と決してスマートさはないけれど、あそこまで色気を発散できるミッキー・ロークに脱帽! 探していた人物が実は自分自身だったというオチは今でこそ斬新さはないが、改めて観返しても戦慄を覚える程独特の雰囲気を持った映画です。 最後、エレベーターに乗って墜ちて行くシーンは、まさしくハリーの絶望を象徴しているようで、ズッシリと心に響きます。 【クオーレディアンジェロ】さん [DVD(字幕)] 10点(2006-12-27 09:30:47) (良:2票) |
4.《ネタバレ》 ミッキー・ロークはめちゃくちゃにカッコいいのですが、私の中ではそれだけしか評価すべきところのない映画でした。だからといって映画の質が悪いというわけではなく、文化的・宗教的バックボーンの不足により、私にはこの映画を理解する土壌がなかったことが原因だったと思います。これは悪魔に踊らされる主人公の憐れな末路を描いた作品であり、随所にバチ当りな描写がなされるのですが、キリスト教徒ではない私にはこの映画の破天荒さがイマイチ伝わってきませんでした。。。悪魔を主題にした映画は他にもいろいろあります。特に「エクソシスト」はマリア像が派手に汚されるなど相当バチ当たりな描写を含んでいましたが、それらの映画には悪魔に対する善なる力が必ずセットで描かれ、最後には神が勝つという内容となっていました。それがキリスト教圏の観客の安堵感につながっているのでしょうが、一方本作にあるのは悪魔や異教の描写のみであり、それをやり込めるはずの神の力がまったく描かれません。これが本作の特異なところで、主人公は最初から最後まで悪魔に弄ばれ、旅の最後にはブードゥー教の巫女である実の娘との相姦により悪魔の子孫を残し、そして何の抵抗もできないまま死んでいくという救いのない物語。宗教色の強い作品でありながら神の存在がまったく描かれない不安感がキリスト教圏の人達にとってはショッキングだったのだと思います。本作の悪魔は神を恐れるどころか教会の椅子に座り、「神の前では静粛にしろ」と主人公に説教をはじめる始末。視覚的にエグい描写は少ないものの、やってることはとんでもなくバチ当たりなのです。ただ、視覚的なショックが少ないために非キリスト教徒には伝わりづらいことが本作の欠点となっています。さらに、本人オチも当時としては衝撃的だったのでしょうが、今となっては使い古されたネタであることも本作の魅力を奪ってしまっています。 【ザ・チャンバラ】さん [DVD(字幕)] 5点(2011-10-19 01:32:51) (良:1票) |
3.この作品は宗教観があった方が多分解り易いんだと思うが、無くても何かが滞留してるような、なのに追い詰められていくような、何とも言えない世界観が体現できた。大量の血液とか、取り出された心臓とか、エグ系ホラーの道具立てはあるのだが、その個々の部分より、全体の雰囲気に神経をなぞられるような・・・。とにかく暗い。それにエレベーターが下降を繰り返す映像など、追い詰められてどん底に落ちていくようなイヤーな感触。どんでん返し系のミステリー要素もあるんだが、それより世界観を楽しむ(ってのは変かなあ、浸るというか)映画と思った。物語の進行と共に気が滅入っていくんだが、それでいてなぜか結構好きな作品。ミッキー・ロークとデ・ニーロも、この世界の住人として、しっかりはまっている。 【あっかっか】さん [映画館(字幕)] 7点(2009-03-07 13:46:41) (良:1票) |
2.デニ-ロ、爪やめてください。あの爪。観てて笑いそうになる。程よく怖くて、悪くない作品ですが、あの爪で大きく減点。本当に爪やめてください。あの爪。 |
1.後に豹柄トランクスで猫パンチやろうが、顔いじり過ぎてヘンな顔になって落ち目になるとかはどーでもよい。「ナインハーフ」でも騒がれていたように、この時期のミッキー・ロークは否定できない魅力があった。皆さん言ってるように雨に濡れたヨレヨレのコートとかジャケットの襟立てるとか妙にカッコ良かった。年取ってこういう不良中年みたいになんのもいいかなって(笑)当時の宣伝は偉そうに「原作は映画化不可能だった」とか言って、この物語に係ると悪事が・・・というイメージで売ってましたがオチは「ユージュアル・サスペクツ」系の禁じ手と言ってもいい。むしろ名優デ・ニーロを脇に勝負して、ロークがちゃんと自分の映画にしてるとこが頑張ってるワケで、ただの奇行アクターでは片付けらんないと思うんだよね。話がよくわからない人は挿入されるイメージシーンを時系列に捉えないで観てみれば?例えば降りていく古いエレベーター。あれは主人公ハリー・エンゼルが”堕ちて行く”のを象徴してるのです。 【シュールなサンタ】さん 8点(2003-05-12 00:38:37) (良:1票) |