8.これって長谷川伸の股旅ものとつながってるよね。しがない渡世人=浮浪者のささやかな善意と、それが報われるドラマ。「日本人にしか分からない」とか言われる人情の機微って、思いっきり世界普遍のものだ。眼が見えない=正体が分からない、という仕掛けを十分に使ってドラマを展開し、ラストの控え目な対話だけでサラリと終わらせる鮮やかさは西欧のものだけど。娘に対しては慈善紳士と浮浪者がチャップリンに重なり、金持ち紳士に対しては、絶望から救った親友と見知らぬ浮浪者が重なる。はっきり見えているのはどちらにも浮浪者としてのチャップリンのみ、しかし二人の心の世界に存在していたのは慈善紳士と親友だったわけだ。食べられないものを食べるギャグは、ここでも紙テープや石鹸が登場した。ボクシングシーンでさっとレフェリーに重なる動きの見事さ。動きと言えば、大したギャグではないのに、歩道の背後で上がり下がりするエレベーターの縁でハラハラさせるのなんか、彼の体技で魅せてくれた。落ちそうで落ちないってギャグ、チャップリンの好きなモチーフだ。 【なんのかんの】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2013-01-08 09:54:10) (良:3票) |
7.《ネタバレ》 顔を合わせずすれ違い、街の灯の中に姿を消して欲しかった。時代を超えた名画にヤボを承知でそう思う。 【なたね】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2013-01-05 09:36:14) (良:1票) |
6.《ネタバレ》 いわずと知れたチャップリンのサイレント映画。お約束の笑いが存分に盛り込まれていて楽しい。で、終わろうと思ったのですが、ラストに言及される方が多いので便乗。
確かに目が見えないときに思い描いていた紳士と違って彼女にガッカリされたのかもしれないけれども、結局浮浪者が彼女にしてあげられた事は金持ちから貰った金で花を買ったり、そのお金をあげただけ。凡百のハリウッド映画ではないのだから、その程度で女に惚れられてハッピーエンドでは面白くない。彼女にしたって、元々ただの憧れ程度の感情な筈。 彼女に心底惚れたならば、この先こそは並々ならぬ努力をし、真面目に働きつつ、新たな関係性を築き、彼女に惚れられるような男となってやればよいではないでしょうか。いわばこのラストシーンは、二人の関係性においてはプロローグではないか。 この結論なき素晴らしいラストシーンでは悲劇にもならないし、さして切ないとも思いません。だからこそ名作「喜劇」なのではないか。と、チャップリン初心者ながら思ってみました。 要するに僕個人としては、この映画を「楽しい映画だった」と言いたいのです。 【すべから】さん [DVD(字幕)] 8点(2009-03-27 15:08:42) (良:1票) |
5.《ネタバレ》 サイレント映画の、特に映像作家チャップリンの人物描写の上手さに見事に感服させられました。 まず、冒頭のシーン。「目が見えない」というセリフを一言も喋らずに盲目であることを見る側に伝えきったその描写力に座布団10枚!しかも、完璧に盲目であることをを伝えきってからチャップリンに水をかけるという丁寧さ。盲目であることがハッキリと解ってからのシーンなのでちゃんと笑いが成立するのですが、あやふやなままであのシーンが出てきたら、もちろんコメディとして成り立たないわけなのです(当たり前)。 そして、この映画を見た全ての人の心の中に刻まれるであろうラストシーン。このシーンを見たとき、女の表情が、助けてくれた人の顔を見れて本当にうれしいと思っているようには見えなくて、そんなに感動するかなぁ?とやや疑問だったのですが、家に帰ってきてみんなのレビューを見てみると、自分が見て感じ取った女の表情がやっぱり間違ってなかったとわかってホッとしました。みなさんの仰る通り、これは完全なハッピーエンドではない筈です。チャップリンが、目が治ってよかったね~、と純粋無邪気に喜んでいるのに対し、女の方は「お金持ちの紳士な方かと思っていたのに、ズタボロのルンペンじゃない。けど、治療費をカンパしてくれたし、私の目が治って喜んでくれてるから私もヘンな顔できないわ。それにしても、この人本当にイイヒトそうねぇ・・・」という表情です。これは、相当な人間観察力と描写力とがなければ成し得ぬ業で、私はここにチャップリンの偉大さを見ました。 〔'05.8.27追記〕上記レビューは映画館で1回観ただけで書いたものなのでかなり曖昧なレビューだったようです。 ラストの再会のシーンについてですが、目が治った女の子の方の表情は読み間違いはなかったと思うのですが、チャップリンの表情を読み違えてしまっていました。あのシーンでのチャップリンは女の子の目の手術の成功を心から喜んでいる顔ではありません。あの時のチャップリンは「マズイ!こんなズタボロの出で立ちで見つかってしまった。どうしよう・・・しゃーない、とりあえず笑ってごまかしとけ(笑)」という表情です(けど、うまく笑えてない)。 といった感じで、私の読み間違えがありましたが、いずれにしろチャップリンが鋭い眼光と描写力を持っている偉大な映像作家であることには変わりはないということで、まぁ良しとしましょう(笑) 【もっつぁれら】さん [映画館(字幕)] 8点(2005-05-02 20:56:52) (良:1票) |
4.チャップリンほど可愛らしいおっさんもいませんね。階段を一段ずつ上り下りするのには笑ってしまいました。いい歳したおっさんなのに子供みたい(以上に?)に純真なキャラクターに思えるから不思議です。 【ひろみつ】さんと同じく、宮沢賢治の「雨ニモ負ケズ」を思い出しました。手術代を出してくれた人物の正体がチャップリンだと知った女性が失望を隠せずにいるのに、チャップリンはただ嬉しそうに笑っている。彼女には浮浪者のチャップリンを見下す気持ちがあるのにも関わらず、チャップリンには気にしている様子がなく、彼女の幸福を喜んでいるだけ。こういう人になれたらいいのに、と思って涙が出ました。自分の心の狭さや嫌らしさのことを省みずにはいられません。 【no one】さん 8点(2005-03-21 06:32:07) (良:1票) |
3.《ネタバレ》 笑いの弾け方は、ちょっと物足らない気もしますが、もちろん名作です。サイレントならではの仕草、視線で語る、その美しさ。ひたすら体を動かす、その楽しさ。映像で伝える五感を、チャップリンがいかに大切にしていたかが伺えます(ラストの手の感触まで含めて)。ただし、あの有名なラストシーンは私にとっては感動的というより、複雑で切なかったですね。 【あにやん🌈】さん [映画館(字幕)] 8点(2004-01-07 13:58:25) (良:1票) |
2.ラストでの女優さんの表情がガッカリしているようにみえるは私だけ? 【ブータン】さん 8点(2003-07-05 22:55:50) (笑:1票) |
1.とにかくラストシーンを見て!!!!! 【Ruah】さん 8点(2002-10-28 16:48:01) (良:1票) |