《改行表示》 10.《ネタバレ》 残念なのは、映像上で七人揃った完璧なベストショットがない事だ。(百姓一人二人交ざっての八人九人ショットは幾度か存在するが)七人だけのベストショットが映し出されぬまままに一人死に二人死にと夢叶わず人数少なくなってゆく実態だ。 今回、10時間程の自由時間があったので 繰り返しで二度観ました(間に昼寝一回、夕寝一回、晩酌一回、酔いざましの風呂一回。) その結論、さすがに長い時間を費やしてしまいましたが、二度目による面白さが半端じゃなかった。そして二度観るべきだと思った。二度観る価値あった。①話の流れから台詞が耳でなく目で聞きとれた ②一騎だけ呼び込む理由など作戦の意味が十分に理解できた ③種ヶ島の意味が分かった ④キャラ的に目障りで好きでなかった菊千代がある瞬間を境に急激にいとおしくなった。 以上、何度だって観る価値ありです。そもそも白黒でありながら その映像は意外とクリアでストレスなるもの溜まらない ⑤百姓娘の志乃の仕草が何度見ても色っぽい。 そんな私は 志乃と勝四郎のひかれ合いによるシーンは絶対に必用だったと思う肯定派です。以上。 だが実は、侍七人のみのショットって実のところは有りえるんです。後半開始後16分程のところで約10秒程有るんです。最後に菊千代が揃って完成(パシャリ)だが残念なのはこの瞬間 島田勘兵衛だけが画面後ろを向き後頭部を晒しているのです。 ねぇ それって残念に思いませんか? 尚、この情報は間違いなしです なぜなら只今三度目見終えて自信満々で確証得たところだからです。 【3737】さん [CS・衛星(邦画)] 9点(2020-02-16 00:41:28) (良:3票) |
《改行表示》 9.《ネタバレ》 随分前、テレビで見たのですが、改めて見たら、やっぱり凄く面白かったです。 こういう「仲間集め」から始まるの大好き。 7人のキャラも立ってていいし、黒沢組常連の志村喬は、こういう軍師とかリーダー役がピッタリ。 そして三船敏郎。言い尽くされてるけど、この菊千代というキャラクターがいなかったら、ここまで名作になったかどうか、というくらい重要な役どころを見事に演じてます。 元百姓だからこそわかる百姓の狡さ、哀しさを代弁し、皆をののしりながら励ます。 乱暴者のようで心根が温かいのがわかるから子供たちも懐く。 百姓と浪人たちを結びつける菊千代の存在は大きい。 一人だけ生き残った赤ん坊を抱いて「これは俺だ」と泣くところは、今も思い出すだけで泣けます。いつもおどけてふざけてる菊千代のもう一つの顔が見えるところをちゃんと入れてるところ、さすがです。 CGなんてない時代に、あれだけの迫力ある映像を撮るとは、とこちらも驚き。 大雨の中の合戦。逃げ惑う馬、馬上の野武士、追いかけながら刀や槍を振り回す浪人や百姓。 泥水の中、転げまわり、はいつくばり、逃げて追いかけて、どのシーンも見ごたえあるから逃さず映し出す。 素晴らしかったです。 勝四郎と志乃の初々しいロマンス。志乃の方が積極的なのが面白かった。 最後かもしれないからと娘の顔を見るために探し回る万吉に対して、父親より勝四郎という志乃。 父親って辛いですね。 女房を野武士に攫われた利吉の苦しみ。 慰み者になってた女房が利吉の姿を見て、助けを求めるどころか炎の中に飛び込んでいくところ。 ずっと苦しい顔だった利吉が、最後の田植えのシーンでは吹っ切れたように笑顔で田植え歌を歌っている。 久蔵を尊敬の目で見つめ「あなたは素晴らしい人だ。それがずっと言いたかった」という勝四郎の表情や、その後やれやれという感じで、まんざらでもなさそうに口を緩ませる久蔵。 その他、キリがないくらい、素晴らしいカットが豊富で、207分が全然長く感じなくて少しもダレたり飽きるとこがなかったです。絶対見るべき映画の一つなのは間違いないです。 【nanapino】さん [DVD(邦画)] 9点(2014-06-08 15:51:04) (良:2票) |
《改行表示》 8.《ネタバレ》 何度も観ている映画 (これからも繰り返し観るであろう映画)です。 内容について散々語り尽くされているので省略。 今回観ていて感じたのは、侍達/野武士達は、侍らしい死に場を 求めて合戦に参加したのであろう、ということ。 もはや侍の時代にあらず、時代遅れの侍という存在でありながら、 そこから抜け出せない悲哀。戦場で死ぬことも適わず、素浪人として 仕官先を求め各地を転々とする生活-そんな人々が冒頭、町に溢れていました。 野武士達も同様に、仕官先の見つからなかったが故に 野武士に身をやつしたものもいるのでしょう。 そんな環境で、ふいに現れた侍らしい死に場を 素通りできない不器用な男達だったのかなと。 この合戦でも死ぬことの出来なかった勘兵衛らは 死に場所を求めてこの後も彷徨うのでしょう。 まだまだこの先何度も観たいと思っているので 新たな発見への期待を込めて10点でなくこの点数で。 【kirie】さん [DVD(邦画)] 9点(2018-04-04 23:52:53) (良:1票) |
《改行表示》 7.某テレビ局が黒澤明作品を大量に買い付けた時があって、それまでテレビではほとんど放映されなかった作品が次々と登場しました。私は主要な黒澤作品をこれで見た口で、評判だけは聞いていたものを、この目で確かめることができました。中でやはり傑作だったのはこの『七人の侍』で、なんとも面白い映画を作ったもんだなぁというのが、当時の感想でした。 その後数回見ましたが、今回改めてリマスター版を劇場で鑑賞し、面白いことは面白いのですが、はやり初見時の感銘には及ばないかと感じます。こちらが見慣れてきたということもあるのでしょうが、もしかしたらデジタル化したことと関係があるでは、とも思えます。映画の中に没入せず、やや距離を置いてクールに眺めてしまうところがあるのです。これはやはりそういう類の映画ではないだろうと思うので、こうして客観視してしまうのは、この映画を見る態度としては問題があろうかと思われるのですが、そこに少なからずデジタル化の影響があるように思えてなりません。たとえ傷があったり音がこもったりしていても、フィルムで見た方がより夢中になれるのではと勝手に思ってしまう次第ですが、まあそれは単なるノスタルジーによる思い過ごしかもしれません。「凄くて面白い」映画であることには、間違いないのですから。 内容的にはあれこれ考察することは可能ですが、そういうことをしてもつまらないのでやめておきます。「凄くて面白い」娯楽映画の傑作、これだけで十分でしょう。〔レビュー900本目〕 【アングロファイル】さん [映画館(邦画)] 9点(2016-12-30 22:13:16) (良:1票) |
《改行表示》 6.《ネタバレ》 ハリウッド版の『荒野の七人』を子供の頃に観て感動したが、後になってこちらがオリジナルだと知ってビックリ。 野武士に立ち向かう七人の侍が頼もしい。 米の飯を腹いっぱい食わせるという条件で集まるのは、武士道の下地があってこそ。 観る前は、三船敏郎は椿三十郎のような役かと勝手にイメージしていたが、全然違った。 菊千代によって百姓の狡さと哀しみがまざまざと浮き彫りになる。 なかなかわかり合えない侍と百姓が、次第に距離を縮めていく過程がいい。 でも、最後生き残った侍に「勝ったのはあの百姓たちだ」と言わしめる百姓のしたたかな強さ。 そこにはどうにもできない距離が確かに存在する。 難点を挙げるなら、映像が見にくかったり、セリフが聞き取りにくいところや、演出にはさすがに古さを感じる箇所がある。 ただ、ストーリーは起伏があって非常によくできており、不朽の名作の名に恥じない。 こうした名作を次々と世に贈り出した黒澤監督が、世界の監督たちの尊敬を集めたのは納得だ。 【飛鳥】さん [DVD(邦画)] 9点(2013-01-03 00:29:38) (良:1票) |
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《改行表示》 5.《ネタバレ》 素晴らしい。どうせ皆周りの評価や世評に流されて絶賛してんでしょ、とか思ってました。すいませんでした。本当に面白い。ストーリーは至って単純。「百姓を守るため野伏せりを討つ」。ただそれだけの話。しかし、それだけでいいのです。映画のストーリーはこれくらいシンプルでないといかん。一見、魅力的な数々のドラマが集まって出来上がっているように映りますが、それら全て「野伏せりを討つ」というひとつの目標によって貫かれています。侍を探すのも野伏せりを討つため、砦を作るのも野伏せりを討つため、雨の日の決戦ももちろん野伏せりを討つため。そのストーリーのシンプルさが、三時間の長さを感じさせない面白さに繋がっているのです。また、侍集めや砦作りなど、ひとつひとつのドラマにフォーカスを当てても面白い。とんとん拍子に事を運ばせてもなんの面白みも生まれないことを、この映画はちゃんと心得ています(荒野の七人はここらへんがちと食い足りない)。侍を集めようとしても、しょっぱい報酬にキレる侍にぶち当たる。砦を作ろうとしても、やむを得ない犠牲に納得のいかない百姓らがボイコットを起こそうとする。そして、作戦を履行しても、侍たちがひとりまたひとりと散っていく・・・。それらのトラブルもごく自然な流れでストーリーに組み込まれてるので、すっと作品世界や登場人物の気持ちに入り込めます。見事なシナリオです。 さて、魅力的なキャラクターの宝庫でもある『七人の侍』。ひとりひとり全員を語れそうですが、とりあえずピックアップして二人分だけコメントを。まず、シナリオ的にかなり優遇されていたのは勝四郎くん。彼の持ち味は「若さ」。その象徴として、彼はいろんなものに次々と憧れていきます。最初は勘兵衛に憧れ弟子入りを志願、その次には百姓の娘の志乃に恋に落ち、野伏せりとの戦いの中で凄腕の剣客の久蔵に感銘を覚えたりと大忙し。むさくるしい面子が揃う中、彼の青臭い言動は爽やかな風を吹かす清涼剤となっておりました。もう一人は久蔵。彼は本当になんでもでき子ちゃんですね。物見を斬ったり、敵の本拠地襲撃にスッと参加したり、単独で種子島を奪ってきたりと、上げた成果は数知れず。とりあえず久蔵を働かせておけば間違いないみたいな空気があります。さすが、侍たちの中でも「強さ」がアイデンティティとなっているだけのことはあります。勝四郎と志乃の密会をこっそり、でもしっかり覗き見るところもまた人間らしさがにじみ出てていい。 掛け値なしの面白さ。この映画と同じ国に生まれたことが誇りです。 【Jar_harmony】さん [DVD(邦画)] 9点(2011-07-10 14:19:27) (良:1票) |
4.この映画を観るのは2度目でした。一部声が聞き取りにくい事を考慮して、日本語字幕を入れながら観ました(DVDならではの計らいですね)。やっぱり台詞の全てを咀嚼しながらこの作品を味わうと、極上の世界観が堪能できます。207分といえば3時間半近いんですが、全くその長さを感じさせません、映画の世界に入り込むというのはこういう事を言うのでしょうね。シナリオも侍のメンバーを集める1部、侍と村の人間との交流と作戦立ての2部、野武士との決戦を描く3部とその全てにムダがなく、しかもアクションシーンは大迫力で心からワクワクさせてくれます。侍7人だけでなく、村の人間にも個性的な人物が多く、それを描き切ってしまってるのが本当に凄い。本当に今更なんですが、技術も音楽もカット割りも文句のつけようが無いですね。侍は全員カッコいいけど、リーダー役の志村さんの照れた時や考え事をする時の頭を撫でる仕草から、三船さん演じる菊千代の型破りな侍のサマと豪快な殺陣にバカ笑いとその存在全てが至宝ですね。名作名作とマスコミが煽って実はクソみたいな作品も多い中、観客から支持され、世界の映画ファンにも支持され、名実共に日本の伝説的代表作となったのはダテじゃないですね。極上のエンタテイメントってのはこういうものを指すんだな~と誰しも納得できる世界的大傑作だなと思います。 【まさかずきゅーぶりっく】さん [DVD(字幕)] 9点(2006-07-17 18:41:04) (良:1票) |
3.この作品は見る前からいろいろな予備知識を持っていた。とりわけ、雨の中での戦のシーンは「七人の侍」を語る上で必ずと言っていいほど出ていたので余程迫力があるのだろうと思っていた。いざ見てみると思っていたほどではない。しかし、映像から見てとれる迫力を越えるものがこの映画にはある。まず七人の人選からして惹きつけられる。そして何より対野武士の戦術だろう。見ていてゾクゾクする。戦術より大切なことが団結するためのコミュニケーションだったり、百姓達の士気を上げるための渇やリラックスさせるための談笑だったりとそのあたりの描写も心憎い。最後、百姓達は侍達に感謝してチャンチャンと終わるのかと思ったら、何事も無かったように歌いながら農作業に精を出す。そして勘兵衛の、勝ったのは百姓云々のセリフ。菊千代が泣きながらに訴えた、百姓とは云々のセリフが見事な伏線となっている。 【R&A】さん 9点(2003-11-26 13:37:48) (良:1票) |
2.宿場で志村喬を説得する人足、人の優しさに涙ぐむ。野武士を追いつめる村人の眼、「大衆」の心の持つ恐ろしさに恐怖する。人間は良くもあり悪くもある。計り知れない底知れぬ恐怖と全てを包み込む温かな優しさを兼ね備える。だからこその人である。ただの娯楽時代劇ではないこの凄みが、この映画の後味を爽快さだけに終わらせてくれない。 【紅蓮天国】さん 9点(2003-10-13 11:40:18) (良:1票) |
1.あの生活感というか雰囲気は今となってはつくれないよなきっと。戦のシーンはすごい。馬も本気。三船敏郎のやんちゃさもよい。 【ちこ】さん 9点(2002-05-02 18:13:45) (良:1票) |