4.いまや世界の「脅威」ともなった中国だが、そういうものは感じられずこの頃はまだそんなにパワーがなかったのかもしれない。ただし、現代でも都市と農村の格差というのは大きいわけで、こういう風景・風俗は残っているところもあるだろう。日本人の自分が見ても「この頃の中国はまあこんなもんだよね」という感想しかないのだが、本作は国際的に評価されたようで、それもある種の「オリエンタリズム」なのかなと思ったり。 |
3.《ネタバレ》 導入部では、ランニングシャツのオッサンがあちこち訪ねたりどうしたりしているだけなんだけど、その無力ぶりがかえって面白い。また、じわっと動くカメラで撮られる長回しや、人物の沈黙や静止の活用、さらには画面内の人物配置バランスなどは、テオ・アンゲロプロスを彷彿とさせる部分もある。しかし、もう1人の主人公である女性が絡んでくるはずが、これが媒介として機能していないのです。シンプルにオッサンを最後まで追い続けて尺も短くしたら、もっと強力な作品になったのにと思いました。ラストの「え、そう落とす?」という着地には、別な意味でインパクトがあっただけに。 【Olias】さん [CS・衛星(字幕)] 5点(2022-03-27 22:03:36) |
2.《ネタバレ》 嫁さんをお金で買うのには少し驚いたけど、ストーリーに大した意味はない。同様に、芝居自体にも観るものはない。飛んで行く建物もちょっとした遊びで深く考える必要はない。これは作品全体から中国を感じる映画だと思う。やる気が有るのか無いのか分からないような空気感があの国の虚飾のない日常なのでしょう。それは観光などでは見えない側面です。この監督の作品は「一瞬の夢」に続いて2作目だけど、今作の方がメッセージが明確でした。携帯電話は持っていても、尋ね人を探し当てるまでに何ヶ月も掛かる。決して人口が多いからじゃない。それを見せてもらったことには、意味がありました。 【アンドレ・タカシ】さん [CS・衛星(字幕)] 5点(2009-01-13 18:36:39) |
1.《ネタバレ》 三峡ダムのために水の中に沈む村を写した写真展を見たのですが衝撃的でした。長江哀歌は、その沈む街に帰ってしまった妻を呼び戻しに行く夫と、帰ってこない夫を待っている間に他に好きな人ができて結婚すると告げに行く妻の、別々の話を2つ描いていますが、あまり意味がない気がしました。おまけに妻を呼び戻しに行く夫は妻を愛している感じがしなくて(メイドのように)必要としている気がしました。もともとお金で買った妻なので、そうなのかもしれないけれど、妻も夫との暮しが嫌で逃げただけということだし、感情が見えない映画でした。三狭ダムで消えゆく土地を描くのなら別の方法があり、お金で買った妻を探しに行く映画なら、日本の田舎にフィリピンなどから嫁いできて、子供ができてさえも、お金がたまった途端に国に帰る妻の話を描いた方がリアルだと思います。 【omut】さん [CS・衛星(字幕)] 5点(2008-08-11 04:06:13) |