《改行表示》 4.《ネタバレ》 お気楽な夫婦再生のラブコメ映画だとばかり思っていたもので、序盤で人が殺される展開に吃驚。 とはいえ「殺人事件を目撃してしまう」「殺し屋に命を狙われる事になる」などの緊迫した要素が揃っているわりには、ゆる~い空気で話が進むんですよね。 主人公夫妻も、発砲されて逃げ惑う破目になった割には、全くもって危機感が無い。 この辺り、ちょっとチグハグというか(殺し屋に襲われる場面では、もうちょっとシリアスな空気にして、緩急を付けても良いんじゃない?)なんて思っちゃいましたね。 あるいは、徹底的にコメディ調にして「射撃や乗馬を習い、熊とも遭遇した経験ゆえに、主人公夫妻が逞しく成長して、殺し屋を返り討ちにしてみせる」って展開にしても良かったんじゃないでしょうか。 本作は、シリアスな魅力とコメディな魅力、どちらにも振り切れず、中途半端に終わってしまった気がします。 そんな具合に、話の本筋には不満もあるんですが「田舎に住む事になった夫婦が、絆を再生させていく物語」として考えれば、そちらの方は無難に纏まっており、良かったと思います。 当初は「田舎者」ならぬ「都会者」って感じで、静か過ぎるからサイレンが恋しいだの何だの言い出す主人公夫妻に、全く感情移入出来なかったんですが、徐々に二人を温かく見守るような気持ちになってくるんですよね。 仕事人間らしく、不動産業や弁護士としての腕を活かして、田舎の人々と仲良くなっていく流れも「そう来たか」という感じだし…… ビンゴで盛り上がったり、星空に見惚れたりする姿も「初々しい恋人時代の二人に戻れたんだ」って思えて、微笑ましい。 彼らを家に住まわせる事になる保安官夫妻も、良い味を出してましたね。 自分としては、気が付けばモーガン夫妻よりも、保安官夫妻の視点になって映画を楽しんでいたくらいです。 ずっと無口だった保安官が、黙って見ていられなくなり、重い口を開いてモーガン夫妻に助言するシーンは、本作の白眉かと。 「秘書役の二人が喧嘩しつつも結ばれる」というサイドストーリーも良かったですし、ナース兼ウェイトレス兼消防署員なケリーに、歌手を目指している少女のルーシーも、可愛かったですね。 そういった脇役陣が、しっかりと主人公夫妻を支えてたという印象です。 最終的には夫婦も和解して、妊娠もしたし、予定通り養子も迎えたという、実に欲張りなハッピーエンド。 赤子を抱いて笑う妻の姿に「素晴らしい眺めだ」と呟く夫と、冒頭に繋がる留守番電話のオチも、綺麗に決まっていたと思います。 正直、面白かったとは言い難いものがあるんですが…… ゆったりした気持ちに浸れるし、何時かまた観返したくなるような、不思議な魅力のある映画でした。 【ゆき】さん [DVD(吹替)] 6点(2023-08-12 07:48:52) (良:1票) |
3.《ネタバレ》 いやあ、軽い軽い。なんとも軽快な映画。自分的にはヒューグラントの困った顔で10分に一回ぐらい笑えたので、あっという間の100分間でした。熊いいよねえ、左からカットインしてくるところなんて最高(笑)、殺し屋きたら、グッドタイミングでまたまた登場、んなアホな(笑)、熊スプレーは二回目からはちょっと平気でしたね(笑)。それにしても保安官の奥さん(メアリースティーンバージェン)はカッコ良過ぎ。56歳かあ、すごい。たまにはこんな心地よい映画もいいもんですな。すぐ忘れちゃいそうですが(笑)。ちょっと田舎で暮らしたくなった!?かなあ!? 【masaov】さん [DVD(字幕)] 6点(2011-02-27 04:08:57) |
《改行表示》 2.《ネタバレ》 メインのプロットは、「犯罪者に追われる人物が田舎に引きこもって、そこでの生活を体験する」というもの。近頃見た某映画、ほとんどそのままです。犯人逮捕の方法も似ている。これでちょっとガックリきました。本作では、その追われる人物が別居中の夫婦になって、夫婦再生の物語が付け加わったわけです。ネタ切れ気味ですね。一応コメディ路線ですが、あまり笑うところはなかったです。熊がいなければどうなったことか……。 ストーリーに期待ができないとなると、キャラクターはどうか。主役のモーガン夫妻ですが、これがどうも今ひとつ煮え切らない。悪くはないしむしろ人物像はうまく描かれていると思いますが、いわゆる「キャラ立ち」がしていない感じです。脇役の方がアクが強く、その分主役をやや薄味にしたのかもしれません。脇役陣はウィーラー夫妻をはじめ、なかなかの好演でした。特にルーシー役の女の子、いったい何者なのか気になります。 とはいえ、それほどとんでもないところはなく、まあ無難に終わったなという感じで、インパクトは弱いです。個人的に面白いと思ったのは、メリルの射撃の腕や熊を撃退するスプレーが、たいした伏線になっていないところですね。しれっと外していました。あとはまあ……、やっぱりネタ切れ? 【アングロファイル】さん [映画館(字幕)] 6点(2010-05-31 22:57:39) |
1.《ネタバレ》 「夫の浮気で離婚の危機に直面したニューヨーカーな夫婦が犯罪を目撃し、保護のために二人セットでワイオミングの片田舎に身を隠すハメになる」。夫がヒュー・グラント、妻がサラ・ジェシカ・パーカー。はい、頭の中に浮かんだ映画、もうそのまんまです。何から何まで見えちゃうの。お互いの秘書が出てきた瞬間、ああ、この二人も最後には・・・都会もんが田舎暮らしに最初は馴染めなくて、でも田舎の人達と接してゆくうちに・・・どうせクライマックスでサスペンス展開になって、そしてああなってこうなって・・・。そして、おそらくそれで正解なんでしょう。ヒュー・グラントのベタなラブコメディが見たいな、って人をそこそこ満足させて。それ以上でも以下でもなくて。もう少し突っ込んだドラマが見たい気もします。1+1=2って公式のようなセオリーで組み立てられた男女間の恋愛物語は、人生の先輩としての保安官夫婦の存在まで含めて、あまりに当たり前のようで、もっと特異な苦難と試練を与えちゃどうかね?とは思います。でも、勇敢に闘ったり愛に殉じたりするヒュー・グラントを見たがる人はいないでしょうしね。欠点と言えば、セカンドユニットが撮った風景映像以外はビスタサイズをシネスコに無理にトリミングしたみたいな、全編頭づまりの見づらい構図ばっかりだった事くらい。ビスタで撮ればいいのにね。ともあれ、ベタをベタとして割り切れば楽しめる映画でした。 【あにやん🌈】さん [映画館(字幕)] 6点(2010-03-16 17:47:20) |