4.ジョー・ライト監督の作品の中では文学作品の映画化よりも映画らしい内容でいいと思います。シンプルにこの映画の魅力を言いますと主人公のハンナ(シアーシャ・ローナン)がかわいくて強いということに尽きますね。アート風味を利かせているだけで内容はただのアクション映画でしかないんですが、とにかく絵作りと編集に凝っているので常にどんな画面が出てくるか先が読めない楽しさがあります。タイトルの出し方もカッコいいです。冒頭の雪原ではらわたを取り出すのは帝国の逆襲でモロッコのロケーションも妙にスターウォーズっぽかったり、ラストはグリムの家だったりと神話やおとぎ話を連想させるようなところがまたいいんですよね。登場人物に感情移入させるような作りになっていないのも意図してのことではないでしょうか。全体的にストーリーよりも雰囲気を楽しむタイプの作品なのでそこは好き嫌いが分かれるのでしょうけれど私は気に入りました。ケイト・ブランシェットの役はなんだか間抜けでコミカルなところがあります、血まみれの歯磨きとか何なんでしょうか(笑)。 |
3.シアーシャ・ローナンと、彼女が道中で知り合う少女がテントの中で横になりながら語り合うシーンは、二人が向き合っているはずでありながらカメラに対して二人が同一方向に身体を傾けているという、一般的にはあり得ない切り返しで撮られている。
同じく、走るキャンピングカー内でオリヴィア・ウィリアムズと対話する際もそれぞれ左右の窓際席の切り返しとなるが、 何故かどちらの窓外にも太陽光が輝いているという具合だ。
共に光の加減が見事な画面であり、自己との対話といったニュアンスを仄めかしたのか、ともあれ、整合性を無視した繋ぎをあえて選択している事は間違いない。
前半のICA施設のダクト、中盤のコンテナ置き場、後半の遊園地内といった舞台設定や、随所に現れる円形や回転のモチーフも含めて、映画に夢幻的な迷路感覚を呼び込むよう施された演出の一環だろうか。
縦横無尽の移動を絡めたバスターミナルから地下通路までの超ロングテイクや、太陽光の人物への当て方・屋内人工照明の印象的な用法といったジョー・ライト印の技巧も、その意味では効果を挙げている。
シア―シャ・ローナンの俊敏な疾走と、徒手格闘。そして、ケイト・ブランシェットの凄みは流石だ。 【ユーカラ】さん [DVD(字幕)] 7点(2012-05-26 23:57:54) |
2.なんのこっちゃな部分も多いけど漫画っぽくて好きだ。ケミカルブラザーズをBGMに脱出するシーンがかっちょええ。絵面、雰囲気、セリフがビシっとキマれば細部はどうでも良し、な感じのする映画だった。 【すべから】さん [DVD(吹替)] 7点(2012-05-09 22:45:19) |
1.《ネタバレ》 うーん、どこかで見たことある感じの映画だ。施設からの脱出のところとか、廃墟公園での戦いとかでもっとエキサイティングにできたと思う。 ちなみに鑑賞環境は映画館としているが、実は飛行機の中で観ました。 |