4.《ネタバレ》 うわー、こんなに”シュールの完成度”が高い映画がこの時代に作られていたとは。内包する悪意が、展開が進むにつれじわーと滲み出てきて、ちょっと中毒になりそうである。観た後引きずる引きずる。 町山氏の解説どおり、バート・ランカスターの撮り方が前半と後半では全く違う。輝くような若々しい肉体美がしょぼくれた中年の姿になってしまうとは一体どういうカメラマジックだろうか。 しょてからしまいまで海パン一枚のおっさんが人ん家のプールを泳ぎ継ぎながら自宅へと向かうお話。こんなわけのわかんないあらすじを聞かされたときは中身についての予測は一切不可能でしたね。 今でいう”セレブ”たちの空騒ぎへの冷たい視線、一人の男の破綻した人生をこんな風に描くとは、この監督よほどの変人か空前絶後の天才か。いずれにしろあっぱれ。忘却不可のカルトムービーですな。 【tottoko】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2018-06-20 00:13:51) (良:1票) |
3.《ネタバレ》 当時のアメリカについて知っていなければ(と言っても自分はそんなに詳しくありませんが)、観ている人にとってはチンプンカンプンの映画でしょう。これもニューシネマ映画の一つで、どこか同年公開の「猿の惑星」に似たようなオチ。変人であり、ラスト近くの爆撃音からしてベトナム帰還兵の話だと思ったが、バート・ランカスターの年齢や公開年を考えると違うかもしれない。しかし、昔は全てを受け入れていたが、夢が覚めると厳しい現実が待っていたのだというセリフや、変な人には気を付けろと言いながら自分が一番変な人間になってしまっている辺りを観ると否定もできない。まぁプールを持つブルジョアへの批判はわかりやすいし、中年のおっさんのラブロマンスでもない。あまりわかりやすい映画ではないが、時代背景がわかれば非常に興味深い映画だと思う。 【TOSHI】さん [DVD(字幕)] 8点(2008-06-02 22:28:23) |
2.ふと見たんですが…かなり大爆笑です!バートランカスターのダメ男ぶり、キレっぷりは見事!!突っ込みどころ満載!!!良かったです! |
1.近隣の家々のプール(自家用)づたいに家まで帰ろうとする主人公。泳ぐ彼は九つのプールを巡り歩く。そのストーリーのユニークさ斬新さに、まず驚かされる。夏の陽光を浴びながら、それぞれのプールの所有者たちと会話を交わし、B・ランカスターの若々しい肉体の躍動感溢れる美しさが強調されていく中、やがて彼の過去が知れるのにつれてその輝きを失っていく。泳ぎ疲れ果て、やっとの思いで辿り着いた我が家。しかしそこには誰も居ず、庭は荒れ放題。やがて日が翳り大雨になる中、彼は家の扉すら開けられないまま崩れるようにして倒れ込む。彼のこの姿はまさに我々の生きるということの意味そのものを示すものではないだろうか。 【ドラえもん】さん 8点(2001-05-20 15:22:20) |