4.《ネタバレ》 TVの財テク番組で銘柄推奨を派手にぶちかます、考えるだけでも製作側には恐ろしくリスクがありますよ、こんな番組のキャスターは命がいくつあっても足りません。日本じゃ絶対にあり得ない番組ですけど、アメリカではたとえCSやケーブルテレビ放送だったとしてもモデルとされる様なコンテンツがあるんでしょうかね、気になるところです。 ジョディ・フォスターもすでに何本も監督経験があるんで、手堅く撮っています。どこか雰囲気が、彼女も出演していたスパイク・リーの『インサイド・マン』と通じるところがあったような気がします。ストーリーの行き先は序盤でほぼ推測できますが、お話しの引っ張り方というかサスペンスの盛り上げ方はなかなかの手腕かとお見受けいたしました。説得させるつもりで警察が連れてきた彼女が犯人を罵倒し倒すところはもちろんですけど、個人的にはジョージ・クルーニーが命を懸けて買い推奨したのに、逆に値が下がってゆくところが爆笑でした。序盤はチャラい業界人丸出し、乱入されてからの小人物感丸出しのうろたえ振りを見せながら、だんだんとシリアスになっていつものクルーニーになってゆくジョージ・クルーニー三変化も愉しめます。だけどあんな短時間で真相を暴いてしまうというのはご都合主義全開で、ここでも最近のハリウッド映画お得意の“困ったときはハッカーを使え”でした。この風潮、何とかなりませんかね。 【S&S】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2017-09-24 23:04:43) (良:2票) |
3.《ネタバレ》 才媛ジョディ・フォスター監督にしては、ひねりの無いやけにストレートな出来でした。ウォール街全体にはびこる搾取システムを糾弾するのかと思ってたんだけど、一企業CEOのセコイ企みを暴くだけでした。その発覚の仕方もやたらイージーで頂けません。TV局とハッカーが結託してものの数十分で真相が明らかになるのですよ。そんな簡単な。 G・クルーニー扮するTV司会者と投資に失敗してキレた襲撃犯がなんとなーく心通わすんだけれど、その辺の心理機微もざっと済ませてしまってる。ほかにも「何をどう考えてるのかなあ」と物足りないキャラばかり。悪徳CEO本人やその背反秘書の気持ちとかジュリアとクルーニーの関係とか、私には今ひとつぴんと来なかった。 もっとも、個人の内面等をすっ飛ばした結果、事件の展開がテンポよくさくさく進んだともいえますが。 そうそう、ジョディ監督が”awful"と評したクルーニーの下手くそダンスシーンが見どころでもあります。 【tottoko】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2017-10-08 16:49:28) (良:1票) |
2.《ネタバレ》 面白い素材だと思うんですけど、ちょっと核心から逃げてるかな?勝ち組がむさぼるように金融の世界で勝ちまくっているのを描いた映画かと思いきや、スタジオジャックした青年の損した取引は、金でストを引き起こした、意図的な株価操作だったというオチ。金融でボロ勝ちしてる連中を糾弾してくれれば、スッキリしたのに・・。エリートのジョディフォスターには、ここまでが限界だったんでしょうね。映像も画面の隅々まで色んなものがチカチカ光ってて、演技に目が行かないですね。ジュリアロバーツと気づくのに、時間がかかりました。ジョージクル二ーもセクシーさが薄く、高画質映像時代は役者のオーラが確実に薄くなりますね。映画新時代でしょうか?でもギリギリのところで個人個人の正義感が発揮され、ジョディ監督の熱い気持ちは伝わりました。せっかくだから彼女も映画に出てほしかったなぁ。 【トント】さん [DVD(字幕)] 6点(2017-01-08 00:37:35) (良:1票) |
1.《ネタバレ》 この映画のメッセージは、現代社会への警鐘を鳴らしてるんじゃないかな。底辺であくせく働く人間が、とりあえずお金には困らない階級の人たちに牙をむく。多くの人達が熱狂、賛同しその牙をむいた奴に熱い視線を送る。しかし・・・それも終わってしまえばもはや過去の遺物。誰も興味関心など微塵もない。要するに、どんなに底辺の人間が正義や自己を主張しても、巨大化した情報社会とそれに付随するマネーの前には、一時の打ち上げ花火でしかなく、なんの効力もないということ。無力ってこと。お金、権力が全てってこと。虚しいけどこれが現実なんでしょう。
犯人が射殺され、その中継を見ていた人たちはしばらくは沈痛な面持ちをしていたけれど、それぞれの日常に戻るまでさほど時間を要さず、とくにホッケーのゲームにすぐに熱中し始めたシーンは、まさに、ああこれが現実なのね、と言わんばかりでこの映画の主題を見て取れる。
お金儲けに失敗した底辺の人間が、気が付けばいいようにTVショーの駒にさせられてしまった。ああ、なんてやるせない映画でしょう。ジョディよ、あんたって昔のイーストウッドみたいな映画、よくぞまあ作ってくれたもんだ。サンキョー!そしてこれからもこういった、後味の悪い映画、作ってね。 |