1.今の邦画で特攻隊を描く…昔よくあった偽装サヨク映画かと勝手に思っていましたが、予想以上にちゃんとした作りで少しビックリしました。 さすがネットで広がったというだけありますね。そう言えば、うちの職場の新人さんがアパートにテレビ置いていないと聞いてにわかに信じ難いのですが、今の若い人は所謂「オールドメディア」の毒を浴びていないだけ、マトモな感覚を持ち得るのかもしれません。 まともに恋愛映画を観るのは久しぶりで、本編の3分の1くらいは泣いてました。
少し残念な点は「もうすぐ戦争が終わるのに無駄に死んでしまう」…というヒロインの言葉を覆すプロットが無かった事。また板倉隊員離脱の際に志願した意義すら否定するセリフを吐かせてしまった事。 彰の言う「負けた国の国民は奴隷のように扱われる」とはその通りで、アフリカ・中南米・アジアの植民地はそうやって広がっていった史実があるわけです。日本がそうならなかったのは様々な要因があるでしょうが、講和交渉であまりに酷い扱いをすると痛い目に遭う…という意識を相手に植え付けた事も大きかったかもしれません。「自分達の命は講和の条件にも繋がっている」と言う特攻隊員の話を読んだ事があります。それでも、日本は自分達の力だけで自分達を守れない、お隣の極貧国に子供を攫われても何もできない国にされてしまったわけで、ヒロインの言う「素晴らしい国になるんだよ」も少し言葉足らずな感が否めません。 ただ、それらを差し引いても全編を貫く感性とそれに添った演技・演出が素晴らしく、とても良い映画でした。特に主演の水上氏の演技は特筆ものだと思います。
エンドロールで松坂慶子の名を発見「そんなセクシーフェロモン担当の人なんていたっけ?」と思っていたら、まさかあの人だったとは…これも隔世の感がありますね。 【番茶】さん [ブルーレイ(邦画)] 9点(2025-05-09 22:20:45) 《更新》 |