片思い世界の口コミです。

Menu
 > 映画作品情報
 > 映画作品情報 カ行
 > 片思い世界の口コミ・評価
 > (レビュー・口コミ)

片思い世界

[カタオモイセカイ]
2025年上映時間:126分
平均点:8.00 / 10(Review 6人) (点数分布表示)
公開開始日(2025-04-04) (公開中)
ドラマラブストーリー青春ものロマンス
新規登録(2025-03-24)【イニシャルK】さん
タイトル情報更新(2025-04-06)【イニシャルK】さん
Amazonにて検索Googleにて検索Yahooにて検索
Twitterにて検索
ブログに映画情報を貼り付け
監督土井裕泰
キャスト広瀬すず(女優)相楽美咲
杉咲花(女優)片石優花
清原果耶(女優)阿澄さくら
横浜流星(男優)高杉典真
小野花梨(女優)桜田奈那子
伊島空(男優)増崎要平
田口トモロヲ(男優)加山次郎
西田尚美(女優)木幡彩芽
松田龍平(男優)津永悠木
脚本坂元裕二
音楽鈴木慶一
作詞坂元裕二「声は風」(ペンネーム「明井千暁」)
製作TBSスパークル(製作幹事/「片思い世界」製作委員会)
TBSテレビ(「片思い世界」製作委員会)
テレビ東京(「片思い世界」製作委員会)
東京テアトル(「片思い世界」製作委員会)
毎日放送(「片思い世界」製作委員会)
配給東京テアトル
美術原田満生
ヘアメイク豊川京子
録音加藤大和
ネタバレは禁止していませんので
未見の方は注意願います!
(ネタバレを非表示にする)

【口コミ・感想(9点検索)】[全部]

別のページへ(9点検索)
【新規登録順】 / 【変更順
1
>> お気に入りレビュワーのみ表示
>> 全レビュー表示

>> 改行なし表示
※ 「改行」や「ネタバレ」のデフォルト表示のカスタマイズは「カスタマイズ画面」でどうぞ
3.《ネタバレ》 坂元裕二、またパラレルワールド!
とは言え、私は大好きなワールド。『怪物』や『ファーストキス 1ST KISS』と同じく、そのワールドが現実に起こり得るかもしれないという量子力学的な理論が少しだけ加えられるところのさりげなさも好き。

映画を観る前に、どこかの記事で「そういうプロット」であることを知り、それを「片思い世界」という少し甘酸っぱい言葉で表現したことにとても感心した。そして、勝手に、川上弘美の或る連作小説を思い出した。その短編の語り手は既に死んだ人間である。死んだ人間が生きている人間の記憶の総体として存在し、彼らと自らを私語る物語。

映画を観たら、川上弘美のそれとは全く違うストーリーだった(当たり前だが)。但し、主人公たちは、違うレイヤで世界と共存しているけど、彼女たちはそこから出ることも世界に触れることもない、常に世界に対して「片思い」でいることに充足しているという世界観は同じだと感じた。「片思い」は世界を否定しない。「片思い」は、孤独であり、自由である。昔、それを死に至る絶望と表した哲学者もいたが、私から世界を見つめるという文学的視点において、それにより世界を肯定し、未来を生きる可能性を得られると考えることもできる。さらに、彼女たちの存在は私たちから見えないが、彼女たちの思いは私たちに由来するが故に、本当は世界にも影響を及ぼすような気配を「片思い世界」に感じる。

やっぱりあたしは、あたしです。(中略)死んでからも、ずっとあたしは生き続けていて、そうだ、あの時あたしはああいうふうに考えていたのだったと、今までわからなかったことが、今になって突然わかったりする。
平蔵さんが死んでも、源二さんが死んでも、あたしのかけらは、ずっと生きる。そういうかけらが、いくつもいくつも、百万も千万もかさなって、あたしたちは、ある。
川上弘美『どこから行っても遠い町』より

(「気配」にも、感情はあるの?)
(あるよ。だって、ぼくはかつて人間だったんだもの)
(え、「気配」は、人間だったの?)
川上弘美『大きな鳥にさらわれないよう』より

死んでいながら生きる「片思い」とは、そういうことなのかなと。本当は、生きている側に残る思いがあってこそ、それがかけらであっても、それがあることによって死者はその思いと共に生かされる。そして、実際に死者がパラレルに存在して語る可能性を得る。

しかし、これは『怪物』の最後のシーンから始まる物語なのかなと思うと、彼らはビッククランチの世界にワープし、2人だけで本当に生きていけたのか。その続きが『片思い世界』なのかもしれない。そう考えれば、川上弘美のユートピア小説のように、私でありながら世界である、本来的な精神の自由を得る可能性を感じさせる、死者も生者も超越した孤独で壮大な物語を坂元裕二も描いていくのだと想像しても、、、それはそれで有りなのかなと思える。そこに人間の可笑しみであり、哀しみの「ドラマ」があるわけだし。
onomichiさん [映画館(邦画)] 9点(2025-04-22 22:41:42)《更新》
2.《ネタバレ》 冒頭から映し出される美しい“三姉妹”の「生活」が、ただただ愛おしい。
三人の表情や佇まいはもちろん、衣服も、家具も、食器も、ご飯も、彼女たちが暮らす空間のすべてが美しくて、丁寧で、“大切”に織りなされていることが伝わってくる。
その空間は、「完璧」だと言っていい。ただ、だからこそ、そこには何か言いようのない“違和感”が、映画のはじめから生じていた。
とても、美しくて、完璧だけれど、何かがおかしい。

彼女たちが当たり前のように出かけ、社会での日常生活が映し出されると、その違和感はより一層顕著になってくる。「あれ?」「え、何だいまの描写は?」と、疑問符は積み重なり、この“三姉妹”の世界の真相が明らかになったとき、冒頭から感じ続けてきた違和感が、映画的な妙味となってくっきりと正体を現した。

美しい“三姉妹”の、とある世界のお話。

12年前のある出来事を契機として、擬似的な三姉妹生活を積み重ねてきた彼女たちが抱える真相は、とても辛く、悲しく、重くて、仄暗い。
でも、本来そこにあるはずの陰鬱さや不穏さを完全に廃して、美しい煌きを全面に映し出すことで、同時に存在する“陰”を表現した映画世界が、本当に素晴らしかった。

彼女たちの生活空間が完璧だったのは、それが彼女たちが必死に想像し築き上げたものだったから。
3人が織りなす空気感が暖かく慈愛に溢れているストーリーテリングが深まるほどに、彼女たちにとってはこの場所が“すべて”であり、そうするしかなかった切なさが心に突き刺さって抜けなかった。

この映画世界で描かれたものは、悲痛を遠く越えた先で迎えた、新たな悲しみと、抱擁だった。


本作は、単純な幽霊モノ、異世界モノのファンタジーではない。
現実世界の事件の痛みや、社会の悲劇を礎にして、その数々の痛みや悲しみに対して真摯に向き合った作劇だったと思う。
無論突飛な世界観ではあるけれど、科学的な考察も引用し、「本当はそうなのかもしれない」と思わせるストーリーテリングは、現実の悲痛と共に生きる人たちにも寄り添うものだった。
設定のアイデアに主眼を置かず、その設定の中で確実に“生きている”人物たちの会話や葛藤でドラマを綴った構成は、坂元裕二脚本の真骨頂だったとも思える。

そんな当代随一の脚本が織りなす物語の中で、息づき、華やかな彩りを見せた三人の若き女優がやはり素晴らしい。
広瀬すず、杉咲花、清原果耶、トリプル主演としてこの三人が揃うこと自体が、もはや奇跡的なことにも思えるが、それを更に超える奇跡的な人間描写をそれぞれが体現している。
設定が設定だけに、どうしても完全な整合性やリアリティをストーリー上に生み出すことは難しかったろうけれど、三人の女優が織りなす文字通りの“アンサンブル”が、それを優しく包み込み、映画表現として昇華していたと思える。

鑑賞から数日経ち、公式SNSから流れてくるショート動画で、本作のシーンに触れるたびに、心に残り続ける余韻がたなびいている。この三姉妹の言葉の一つ一つ、動きの一つ一つが、想像以上に自分の中の価値として深まっていることに気づく。
私は、この先何度も、この映画の“世界”に浸りにゆくだろうと思う。

もし何年か後に叶うならと、この映画世界を礎にしたドラマシリーズを想像する。
湖畔のとある“幽霊屋敷の三姉妹”の日常を、観たい。
坂元裕二はきっと脚本構想を進めているに違いない。
本作には、敢えてまだ描ききっていない要素も多分にある。“ラジオ男”の出し惜しみも、その伏線に違いない。
鉄腕麗人さん [映画館(邦画)] 9点(2025-04-20 11:28:08)★《更新》★
1.《ネタバレ》 舞台挨拶の実況をわざわざ選んで高い席に座ったのに20人も入ってなくてちょっと涙目気味だったけど、なんとか3位ぐらいに入れそうな入りで一安心。でも、昔は東宝の専属女優扱いでカレンダーにまで載せてもらってたのが近年じゃ見るからに弱そうな配給ばっかりでこれも辛いです。

なんてくだらない話はさておき、広瀬すすをとても綺麗にそしてせつなく撮ってくれたので、まあ満足すべきなんでしょうが・・・・
舞台挨拶で脚本家が言ってました。「自分が昔見た夢をもとにストーリーを作った」と
そのこと自体は悪くないし、30分過ぎくらいのどんでん返しには、それなりの新鮮味がありました。
でもさ、夢をもとに映画を作るのはいいんだけど、他人様にお金を取って見せるんだっら、もう少し整合性のある、つじつまがあう「夢」にしませんか?

ファンタジー世界にあくまで内部的な整合性を求める自分はかたくななんでしょうかね。ちなみに理想はロードオブリングです。

糖尿病の薬が切れてしまう母の医者の予約と、2週間に一回しかなくて相当たまってるガラス瓶の収集をぶっ飛ばしてまでの二度目の鑑賞。
そこまで2回目を劇場で見たいという強い衝動は自分でも不思議。(思えば「ゆきてかえらぬ」は見てる最中から次は、ブルーレイ購入してからで十分だなと)
好きな、好ましい要素はいっぱいある。
まず女優の美しさ。広瀬すずは今更だが、杉咲花がしばし可愛いと感じられたのは自分でも意外。
映像の美しさも。三人が暮らす家がとても好き。
音楽も良かったなあ 最後の合唱曲とか何度でも聞きたい。
流星君とすずとの最後の幻の抱擁シーンも落涙した。
全く気持ちが通じない人間の形をしながら、人間とは別の存在(まあ、いわゆるサイコパス)をきちんと描き、なおかつ相応な報いを受けさえたのも好感度大。
しかし、どうしても全く練りこむ意識がないファンタジー世界は受け入れられない。
人に簡単に突き倒される存在が、うろうろ車の前に出るなよなんて些細なことよりも、
そもそも彼女らのように若くして命を失う人は少数派で、大多数は老いさらばえた末、命を失うわけで、その後別の次元によみがえってどうすんだろというものすごく無粋なつっこみとか。
この映画を素直に好きになれない自分がつくづく嫌いです
rhforeverさん [映画館(邦画)] 9点(2025-04-05 20:17:01)《更新》
別のページへ(9点検索)
【新規登録順】 / 【変更順
1
マーク説明
★《新規》★:2日以内に新規投稿
《新規》:7日以内に新規投稿
★《更新》★:2日以内に更新
《更新》:7日以内に更新

【点数情報】

Review人数 6人
平均点数 8.00点
000.00%
100.00%
200.00%
300.00%
400.00%
500.00%
600.00%
7350.00%
800.00%
9350.00%
1000.00%

【その他点数情報】

No名前平均Review数
1 邦題マッチング評価 Review0人
2 ストーリー評価 6.00点 Review1人
3 鑑賞後の後味 7.00点 Review2人
4 音楽評価 7.50点 Review2人
5 感泣評価 7.00点 Review1人

■ ヘルプ
© 1997 JTNEWS