5.《ネタバレ》 先の見えない霧の中を走り、気付いたら行き止まり・・・
『道を間違えたらしい・・・』
このセリフ一言に全て集約されていると思う。
家庭のある中年男と若い女中の不倫の成れの果て・・・不倫なんて、そんなものと。
そんな中年男をジャン・ギャバン、若い女中をフランソワーズ・アルヌールが好演。 モノクロの中、人生の悲哀が良く描かれている名作だと思う。
それにしても主人公に近い年代の私にとっちゃ、娘ほどの年の差の女性との恋なんて羨ましい・・・と思いつつも、色々シミュレーションすると、妄想の中だけで悲哀を感じてしまう今日この頃です。
【ぐうたらパパ】さん [インターネット(字幕)] 8点(2014-07-05 14:17:13) |
4.《ネタバレ》 フランス映画を代表する二人の俳優、ジャン・ギャバンとフランソワーズ・アルヌールの「フレンチカンカン」コンビによる大人の恋愛映画です。人間の刹那さ、やるせなさ、哀しみ、そして人としてどう生きるべきか?この映画ではそういった要素が描かれています。フランス映画を見るといつも思うのは哀愁漂う雰囲気作りが本当に上手い。ハリウッド映画にはない独自の静けさ、悲しさみたいなものが素晴らしい音楽と心に染み入る。親子ほど歳の離れた二人が愛し合うという話そのものは古く感じるし、また派手さがない分、退屈に感じる人もいるかもしれないけれど、人間の深い愛情を本当に二人の好演によって見せる辺りはいかにもフランス映画です。ジャン・ギャバンの背中から感じる男の哀愁、そして、フランソワーズ・アルヌールの女性としての哀しみ、ラスト、霧の立ち込める中、トラックに乗って去っていくジャン・ギャバンが何とも言えない男の悲しさを表しているようで、本当に切なくてやるせないそんな映画として、いつまでも心に残りそうです。 【青観】さん [ビデオ(字幕)] 8点(2007-10-21 11:47:40) (良:1票) |
3.これはメロドラマです。 主人公はトラック運転手のおやじ、単調な仕事に明け暮れる毎日、帰る家は貧しく、家族は冷たい。 仕事中国道沿いの宿に寄ると、以前とは違う従業員。 その子は若くかわいく、何度も会う内に、2人は次第に大切に想い合う関係になる。 日々に疲れたおっさん(ギャバン)が女の子に惹かれるのはわかるが、逆は、無いだろうなと思う。それほどこのヒロイン、かわいらしいです。
原題は取るに足らない人々。というらしいが、なんともやるせないラストを観、邦題も悪くないと思う。 内容は今となってはありきたりだが、ギャバンの存在感が、他がかすむ程強いように感じた。名優だと知ってるからかな。
ヒロイン(女性)がただの彩りにすぎなかったり、良くも悪くも昔のフランス映画という感じ。 しかし私の中で、映画とはこういうイメージ。 観るのも悪くない と思う。 【祥子】さん [DVD(字幕)] 8点(2007-09-13 12:50:56) |
2.《ネタバレ》 霧と暴風雨にさらされた果てし無きトラックの長距離輸送、度重なるエンジンの故障と睡魔との闘い、その哀愁を帯びた見事な映像。自分もトラックの運転席に座っているかのようあ錯覚に陥り、あの狭い空間での振動を感じて気持ちを共感せざるを得ない程に切なくなってくる。空しく切実なジャンの日々、そしてくたびれた妻と軽薄な娘と、傷ついた仔猫のような薄幸の女クロ、この三人の女の描き分け。安らぎを求めるジャン、しかし家畜を乗せた500kmの逃避行で、全く笑わず、傷つき憔悴しきったクロを乗せハンドルを握り、ただひたすらトラックを走らせるジャンの心情。容態が悪化したクロの為に停車した田舎道のあの映像、真っ暗で静かな景観にただ家畜の鳴き声だけが響く、このやるせなさ、このどうしようも無さが胸を打つ。
【よし坊】さん [ビデオ(字幕)] 8点(2007-05-23 06:16:36) (良:2票) |
1.音楽がいい。バイオリンの震えるような旋律が、胸をしめつけてくる。「むせびなく」とはこういうのを言うのだろう。主人公の男の心は、死ぬまで喪失と孤独にむせびなき続けるに違いない。娘は親とは口もきかず、妻は生活に追われて夫に当たり散らし、仕事から疲れて帰ってきた男は話す力さえ失っている。彼が唯一自分の時間を生きるのは、ドライブイン?の娘との短い逢瀬だけだったのだが。映画を見ずとも、このテーマ音楽だけでも一度聞いてみてください。 【駆けてゆく雲】さん 8点(2004-01-25 14:58:26) |