6.今となっては、一般生活の中にもコンピューター世界のイメージは浸透してきているが、それは本当にこの10年あまりの間でのことだろう。 この映画の製作年は1999年で、ほんの少し前の印象はまだあるが、まさにこの時期こそが生活の中にコンピューターが浸透し始めた頃で、故にこの映画の世界観は圧倒的に革新的だったということは言うまでもない。
主人公たちが闘う場所は、コンピューターに支配されたバーチャル世界で、対峙する敵はそこに組み込まれた“ソフトウェア”だというのだから、設定のセンセーショナルさだけでも今作の価値は揺るがなかっただろう。
まさに観た事がなく、そして理解もされにくい世界観を、完全なるビジュアルで紡ぎ出したことで、この映画は唯一無二の存在になったと思う。
今作はこの後2つの続編が公開され3部作となっている。 「リローデッド」、「レボリューションズ」とマトリックスサーガを見終わって改めて思い起こされたのは、オリジナルである「マトリックス」の面白さだった。
続編である2作と比べると明らかに単純ではあるが、その単純さこそ究極の「面白さ」だったのだと感じる。 そう考えると、相当に複雑に作りこまれた印象の続編2作品に対して、この第一作目の映画としての完成度の高さが際立ってくる。
マトリックスサーガは、壮大な「謎」に対する「答え」を求める闘いを描いた物語だと言えると思うが、映画において必ずしも「答え」を描くことは必要ではないということを感じる。
第一作「マトリックス」のラストにおける圧倒的な高揚感は、その先の答えを求めたのではなく、その先の可能性に対する無限の予感によるものだったのだ。 【鉄腕麗人】さん [映画館(字幕)] 10点(2003-11-25 17:42:25) (良:4票) |
5.設定が大好きです。現実がマトリックスであると気付き、そして確信さえすれば、壁を走りビルを飛び越え呼吸すら不要となる(思うに弾を避けるよりもセンセーショナルだと思うが)という点。宇宙人と同化しなくても改造手術を受けなくても遺伝子蜘蛛に刺されなくても、気付くだけでスーパーアクションが出来ちゃうんだもの!!あ、今思ったんだけど、川上哲治ってちょっと気付いてたのかな(笑) 【ガーデンノーム】さん 10点(2003-10-18 05:54:14) (良:1票)(笑:1票) |
4.この世界観はすごい!SFとしては使い古されたテーマではあるが,この作品はSFの範疇を超えている.まさに現代の聖書ではないかと思いながら興味深く鑑賞した.テクノロジーが超高度に発達した舞台設定で,最新のSFXを駆使して制作されながらも,伝えようとしたことは2000年も昔にキリストが伝えようとした「愛すること,また,自分や他人を信じることの大切さ」である.この崇高なメッセージに,現代性と娯楽性を持たせ,また,多少与太話的にくずし,より多くの万人に伝えようとする統一の取れたセンスのよさから判断して,(宗教)映画の到達点を極めてしまったのではないかと思う.製作者がどの程度の理解や思いを持って作っているのかは定かではないが,見る側が考えれば考えるほど興味深い映画だ.宮崎アニメが人文学・社会学的面から追及される対象であれば,この作品はそれ以上にふさわしい研究対象であろう.ラストシーンの愛のパワーにはほんとうに驚いた.このシーン以上に愛のパワーを単純明快に表現した作品があるだろうか.まさに現代の最強神話登場!である. 【そのてぃ】さん 10点(2003-07-21 23:53:52) (良:2票) |
3.この映画はストーリーは関係ない。映像が全てですよ。そういう意味で10点です。傑作です。 【狼さん。】さん [映画館(字幕)] 10点(2006-06-04 06:44:13) (良:1票) |
2.とにかく見よう見ようと思いながら見るのが遅れた作品。2年後くらいかなぁ。もういいやって思ってたけど見て正解。発想の面白さ。ありえないけどありえそう・・と言った微妙な感覚。ストーリーがとてもうまく出来ている(難しいので何回も見た)ので、不可解な部分を含めて納得している自分がいた。って多分、今までで一番回数を見た映画かもしれないです。(私は)何回観ても苦になりません。 【epitaph】さん 10点(2004-01-23 18:49:31) (良:1票) |
1.「スター・ウォーズ」の時に、R2D2を見た衝撃度を思えば、マトリックスの衝撃度も、やはり、このランク。しかも、初見の時よりも、2度目、2度目より3度目と、味わいが深まるのは、ネオに集中して描かれたストーリー性の賜物。何より、キアヌ・リーブスの役者としての魅力を、最大限に引き出した一作。キアヌの魅力は、どうしていいか分からないまま引き摺られる受け身的な、その曖昧さで、本作は、そんなキアヌの持ち味を十二分に引き出して、映画の養分にもしている。日本アニメやSFのパクリと、突っ込み所は山程あっても、それを、一度はやってみたい夢に見るようなアクションと、変にべたつかないロマンスに絡めて、やっつけたい奴をやっつける快感を満喫させてくれて、でも、ほんの少し緊張感の残るラストを、過不足のないキャストで、見事に実写で映像化した本作は、やっぱりパーフェクトなんだなぁと、思う。無論、マトリックス全容の評価は、「レボリューションズ」を待たなくては、出来ないけれど。 【由布】さん 10点(2003-06-09 00:54:31) (良:1票) |